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【社会】

成田空港で雑魚寝 初めての日本なのに 「眠れない…」

台風15号の影響で主要路線が運休し「陸の孤島」となっていた成田空港では、三つの旅客ターミナルビルで計約一万三千三百人が一夜を明かした。京成線は十日の始発から運行再開し、空港と千葉や東京方面を結ぶJR成田線も午前十時四十分ごろに復旧。空港内の利用客の足止めは解消に向かった。

台風15号の影響で成田空港に足止めされ、ターミナル内で一夜を過ごす人たち=10日午前1時29分

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利用客たちは乗車券を買い求めるため、券売所で長蛇の列をつくった。空港運営会社は、利用客に水やクラッカーのほか、寝袋を配布した。

成田空港は台風が過ぎ去った九日午前に運用を再開する一方、陸上の交通網は夕方に一部が再開されただけで到着客の輸送が追いつかず、ターミナル内にとどまる人は十日未明に一時、約一万七千人にまで膨れ上がった。

就職活動のため、九日に鹿児島県から格安航空会社(LCC)で来た同県霧島市の男子大学生(22)は「空港で泊まる人の多さに驚いた。今日は東京で午前十時から面接があり、体験談をどう話すか考えている」と気を引き締めていた。

中国籍の母(76)とともに上海から九日夜に到着した東京都板橋区の稲田莉慧(りえ)さん(55)は「よく眠れず、体も休まらなかった。母にとって初の日本への旅なのに、到着早々、苦労させてしまった」と疲れ切った様子だった。

◆一夜明けても停電60万軒超

東京電力は十日、台風15号の影響により、千葉県を中心に東京の島しょ部を含む一都四県で六十万軒を超える停電が続いていると発表した。鉄塔が倒壊するなどし、復旧に時間がかかっているという。

東電によると、十日午前時点の停電軒数は千葉県が五十七万軒超、神奈川県が二万軒超、茨城、静岡各県が一万軒超。

六万軒以上が停電している千葉県市原市では、日常生活に大きな影響が出ている。「電気がこれほど大切とは思わなかった」。市内のコンビニ店で働く五十代の女性従業員は、冷房が止まった真っ暗な店内で空になった食品棚を前にため息をついた。

店では冷蔵保存が必要な弁当やパック詰めのおかず、アイスクリームなどの冷凍食品をすべて処分。会計もできないため、入り口に休業を知らせる張り紙をし、来店者には近隣で営業中の店舗を案内した。女性は「一日も早く営業再開したいが、今はただ待つしかない」と話した。

県警によると、県内は市原市や房総エリアを中心に、十日午前五時現在で三百基以上の信号が消えている。市原市の市道「市役所通り」沿いでは同日朝、近隣の小中学校の教員らが交差点などに立ち、通学する児童生徒を誘導した。(小沢伸介、山口登史)

 

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