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【社会】

環境相「原発処理水放出しかない」  漁業者反発「軽々で不快」

原田環境相

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 原田義昭環境相が東京電力福島第一原発の処理水について海洋放出しかないと発言したことを巡り、福島県内の漁業関係者や識者からは「軽々な発言だ」「なぜ閣僚がそんな言葉を」と反発や疑問の声が上がった。

 県漁業協同組合連合会は海域と魚種を絞った試験操業を行い、放射性物質濃度を検査した上で出荷しているが、根強い風評被害に苦しむ。野崎哲会長は「環境相は福島の現状を理解していない。あまりに軽々な発言で不快だ」と語気を強めた。

 「漁業関係者は心配だろうが、放出しなければ処理水がたまる一方だ。簡単な問題ではない」と複雑な表情を浮かべたのは、第一原発が立地する同県大熊町に住む無職伏見明義さん(68)。一方、県原子力安全対策課の担当者は、処分方法を検討している政府小委員会に「福島の漁業関係者の声を踏まえ、慎重に議論してほしい」と求めた。

 政府小委の委員も務める東京大大学院の関谷直也准教授(災害情報論)は「処理水をため続けることになった経緯に全く向き合っていない乱暴な発言だ」と憤る。「科学的に安全というだけでは処分方法は決められないので社会的、経済的影響を議論している。その最中になぜ閣僚からこんな言葉が出るのか」と批判した。

◆菅氏「処分方法 決定事実ない」

 東京電力福島第一原発の処理水の扱いを原田義昭環境相が「放出して希釈する他に選択肢はない」などと発言したことに関し、菅義偉(すがよしひで)官房長官は十日午後の記者会見で「現時点で処分方法を決定した事実はない。政府小委員会で議論を尽くし、しっかり検討を進める」と述べた。「個人的意見と承知している」とも話した。

 

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