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【社会】

国に261億円 賠償命令 第3次・嘉手納爆音訴訟

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 米軍嘉手納(かでな)基地(沖縄県嘉手納町など)の周辺住民約二万二千人が航空機の騒音被害を訴え、夜間・早朝の飛行差し止めと損害賠償を国に求めた第三次嘉手納爆音訴訟の控訴審判決で、福岡高裁那覇支部は十一日、計約二百六十一億二千五百万円の支払いを命じた。飛行差し止めと、将来生じる被害分の賠償請求は退けた。

 全国の基地騒音訴訟では最多の原告数で、賠償請求が認容されたのは二万二千二十人。騒音レベルの指標「うるささ指数(W値)」に応じ、一人当たり月四千五百〜二万二千五百円と、一審那覇地裁沖縄支部判決より慰謝料額の基準を下げた。一審判決の賠償額は、過去最高の約三百一億九千八百万円だった。

 大久保正道裁判長は、W値七五以上の地域の住民について、不快感や不安感といった心理的負担や、睡眠妨害や高血圧などの健康被害を認め「社会生活上、受忍できる限度を超えている」と指摘。「米軍の活動による利益を国民全体が受ける一方で、一部に特別な犠牲が強いられており、不公平は見過ごせない」と述べた。

 飛行差し止め請求には「基地の管理は米国に委ねられており、日本政府が規制できる立場にない」と、判例に沿った判断を示した。

 住民側は「被害を軽視する極めて不当な判決だ」とし、上告する方針。防衛省沖縄防衛局は「判決内容を慎重に検討し関係機関と十分調整の上、適切に対処する」とコメントした。

 この日、住民の一部が米国を相手取って飛行差し止めと損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決もあり、高裁那覇支部は一審に続いて訴えを却下した。

 

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