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【社会】

生サンマどうなる? 不漁続き 「目黒のさんま祭」やきもき

生サンマが提供された昨年の「目黒のさんま祭」=東京都目黒区で(同区提供)

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 15日に焼きサンマ約5000匹を無料でふるまう目黒区の「目黒のさんま祭」の関係者がやきもきしている。不漁続きで、生サンマを提供できない可能性があるからだ。8日にあったもう一つのさんま祭りは冷凍物でしのぐしかなかった。取れたての「目黒のさんま」の行方は? (岩岡千景)

 目黒のさんま祭は、「さんまは目黒に限る」のオチで知られる落語「目黒のさんま」にちなんだ催し。JR目黒駅がある品川区と目黒区でそれぞれ開かれている。

 目黒区の祭は一九九六年に始まり、現在は目黒区民まつりのイベントの一つとして行われている。宮城県気仙沼産のサンマを提供しているが、まつり実行委員会事務局によると、「生サンマを提供できる予定だが現在出漁中で、ぎりぎりまでわからない」という。

 実際、八日にJR目黒駅東口であった、品川区側の「目黒のさんま祭り」は二十四回目の開催で初めて生サンマを用意できなかった。提供元の岩手県宮古市で十分な水揚げをできず、やむなく冷凍保存していた昨秋のサンマ七千匹を提供した。

 目黒区側のまつりにサンマを提供している気仙沼の状況も変わらない。目黒のさんま祭気仙沼実行委員会会長の松井敏郎さん(72)=宮城県気仙沼市=は「十四日にサンマが入ってくるが、気仙沼のサンマとして出せるかどうか」と話す。「あまり小さいと、冷凍した去年の大きいのを持っていった方がいいかなと思う」と気をもむ。

 松井さんは大の落語好き。今年で二十四回目を迎える目黒区の祭も、もともとは松井さんが仲間と始めたのが最初だ。「焼き台を挟み、焼き手が来た人と会話するつながりを大事にしてきた」と話し、今年も目黒に赴く予定でいる。

 さんま祭がつないだ縁から、二〇一一年の東日本大震災時には目黒区が気仙沼市を支援した。松井さんは「義援金もたくさんいただいたし、電気も何も使えなくて寒い時、ストーブなどの物資を満載したトラックが何台も来て、涙が出るようなありがたい支援をしてもらった」と振り返る。だが、長引く不漁の見通しは厳しい。「水揚げされたばかりのサンマを持っていくのが本来だが、資源は枯渇していて、これからは冷凍になっていくかもしれない」と話した。

 

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