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【社会】

熱中症の危険「水を」 停電続く千葉 被災者不安

台風で吹き飛ばされた自宅屋根を見上げる渡学さん=いずれも12日、千葉県鋸南町岩井袋で

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 台風15号の影響で、千葉県内では十二日も広い範囲で停電や断水が続いた。停電の発生から四日目。クーラーが使えない上、水がなく、熱中症の危険性も高まる中、被災した住民らの不安に拍車がかかっている。避難所に身を寄せたり、車中泊を続ける人たちからは食料や水分、燃料などを求める声が聞かれた。 (山田雄一郎、太田理英子)

 避難所となっている同県市原市の千種コミュニティセンターに長女(22)と身を寄せる女性会社員(47)は「毎日朝早くからコンビニを回り、食べ物を探している。おにぎりやパンでしのいでいるけど、いつになったら温かいごはんを食べられるんだろう」と不安そうに話す。

 エンジンをかけた軽乗用車で九日から妻と車中泊を続けるトラック運転手の男性(45)は「首が痛いが、冷房がつかない自宅では眠れないから仕方ない」と話す。付近ではガソリンスタンドに行列ができており、隣接する千葉市内まで給油に行っている。「とにかく情報が必要。若い世代はスマートフォンがあるからいいけど、持っていない高齢者は困っているのでは」

 同県鋸南(きょなん)町でも停電や断水が広がる。吉永小百合さん主演の映画「ふしぎな岬の物語」(二〇一四年公開)の舞台となった喫茶店「岬」の店主の玉木節子さんは、店は営業できているものの「停電で氷が作れない」。車のガソリンも残りわずかになっているといい、「近くにガソリンスタンドがないので、何とかしないと」と不安を口にした。

 同町の漁港近くでは、狭い路上の至る所に破損した家屋のごみが積まれた。会社員渡学さん(49)は屋根が吹き飛ばされた自宅の天井を見上げ、「窓を開けても風がないので暑いだけ。水やスポーツドリンクなど冷たいものが必要」と訴えた。

 市原市で飲料水の配布に並んだパート大塚菜津美さん(27)は「停電と断水で、こんなに暑いのに子ども二人が水を飲めず体調が心配。どの店でも水が売ってない」と話した。

台風で破損し、路上に積まれた家屋のごみ

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◆窓を開ける ぬれタオル活用

 停電の復旧が遅れる中、熱中症などの命の危険が増している。専門家は「窓を開け、ぬれタオルを体に当てるなど、体温上昇の防止を」と呼び掛けている。

 災害時の熱中症対策に詳しい一般財団法人「気象業務支援センター」の登内(とのうち)道彦部長(気象予報士)によると、避難所は大勢の人の体熱放出で室温が上がりやすく、断水や水不足で水分摂取も不十分になりがち。

 自家用車で過ごす「車中避難」も、直射日光があると車内の温度が短時間に上昇してしまう。カーエアコンが使えない場合は▽断熱シートの利用▽車を日陰や風通しの良い場所に移動▽車の窓枠に防虫ネットを張って風通しを良くする−などの対策が必要だという。

 気象庁によると、向こう一週間の千葉県内の最高気温は二七度前後の予想で、猛暑は収まるが、この時期としてはまだ気温が高い。最低気温も平年より二度ほど高い状態が続きそうだ。

 同庁天気相談所では「水があれば、ぬれタオルを首や腕に当てるなどして、とにかく体温上昇に気をつけてほしい。窓を開けて風通しを良くし、水分や塩分の補給もお願いしたい」と話している。 (宇佐見昭彦)

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