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【社会】

千葉復旧また遅れ 停電1週間、依然10万戸

屋根にブルーシートが掛けられた建物が目立つ住宅街=15日午後、千葉県鋸南町で、本社ヘリ「あさづる」から(隈崎稔樹撮影)

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 台風15号による千葉県の広域停電は、十六日で発生から一週間。同日午前零時時点でなお、約十万戸で停電が続いている。東電は二十七日までの全面復旧を目指しているが、作業の遅れが判明した地域もあり、住民の生活への影響は長期化が避けられない情勢だ。十六日にかけて雷を伴う激しい雨も予想され、自治体は臨時の避難所を設置したり土のうを配布したりするなどの対策に追われた。

 東電は自治体ごとに地区別の詳細な復旧見通しを新たに公表。これまで千葉市は十六日までにおおむね復旧するとしていたが、作業が遅れている地区を「二十七日までにおおむね復旧」などと修正した。二十日までの復旧を見込んでいた富津市や九十九里町も「二十七日まで」にずれ込んだ。

 鴨川市では十五日午後、雨に備えて自主避難所を開設したほか、ブルーシートや固定用の土のうを配った。約二千個用意した土のうはすぐになくなり、急きょ袋のみ三千枚を配布したという。君津市でも臨時に避難所を追加した。

 台風は停電以外にも大きな被害をもたらしたが、全容は把握できていない。

◆住民「あと2週間、苦しい」

 千葉県内の電力復旧がさらに先延ばしされる見通しが明らかになった十五日、厳しい生活を続ける被災者からは、東電の甘い見通しの連続に憤りの声が出た。

 千葉市緑区の公民館で携帯電話を充電していた同区の西村一男さん(50)は「復旧が何度も延期され、腹が立ってる」と語気を強めた。冷房に当たるため、日中は車に娘とめいを乗せて移動しながら過ごし、ガソリン代や食費がかさむ。「体力もお金も限界。誰も負担してくれないし、あと二週間続くと思うと苦しい」

 市原市戸田コミュニティセンターに救援物資を受け取りに来ていた市内のパートの女性(34)は、地元の停電復旧のめどが先延ばしになったとは知らず、「そんなに先なんですか。近くの地区は復旧しているのに」とあぜんとしていた。

 両親と同居する家では電気給湯器を使っているため、入浴できる場所を探すのに苦労。「まだあちこちに倒木があるし、復旧作業が難しいんでしょう。仕方がない」と肩を落とした。

 最長で二十七日に復旧する見通しとなった地区に住む君津市の四十代主婦は「昼ごろに聞いて、がくぜんとした」という。この地区では復旧作業に当たる電力会社の車もほとんど見掛けないとし、「置き去りにされているようで、把握されていないのかと東電に電話した人もいる」と憤った。

 一緒にいた六十代の母親は「車を運転できる人はいいけど、移動手段がない高齢者はお風呂に行くこともできない。さらに二週間って、どうすれば…」と言葉を失っていた。 (太田理英子、井上靖史)

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