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【社会】

京アニ再建なお時間 放火事件2カ月 寄付25億円超集まる

放火殺人事件から2カ月となった「京都アニメーション」第1スタジオ=18日午前、京都市伏見区で

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 社員三十五人が亡くなった京都アニメーション放火殺人事件は十八日で発生二カ月を迎え、同社の早期復興を願う各地のファンらから総額二十五億円を超える寄付金が集まった。税制面での優遇措置もめどが立ったが、若手を中心に社員の約二割が事件で命を奪われたほか、負傷者は三十四人に上り、再建には時間がかかりそうだ。

 京都府は九日、政府による再建支援策の一環として義援金受け入れ専用口座を開設した。自治体への寄付として扱われ、振り込んだ個人や法人は税負担が軽減される。特定の刑事事件被害者への寄付で、税金を優遇するのは初めての試みだ。京アニが開設した支援金受付口座に十七日までに振り込まれた計約二十五億六千万円も、二十日に府の専用口座へ移管される。

 京アニは「これからも世界中の人たちに夢と希望と感動を育むアニメーションを届けるため」(八田英明社長)、前に進もうとしている。六日には、事件前日の七月十七日に完成した新作映画「ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝−永遠と自動手記人形−」の公開が始まり、初日から多くのファンが駆け付けた。

 だが新作映画の最後に、来年一月公開予定だった次回作について「鋭意制作中」と告知する映像が流れ、公式ホームページでは公開延期が公表された。捜査関係者らによると、事件で負傷した社員の一部は職場復帰しているが、今月上旬時点で精神的なショックで戻れない人もいる。

 即戦力となるフリーランスに頼ることが多いアニメ業界で、京アニは定期的に若手を正規雇用し、自社で育成することで知られる。死傷者計六十九人の約四分の三が二十〜三十代の若手だった。

 新人からベテランまで「京アニクオリティー」とたたえられる同社の繊細な表現力を支えてきた多くの人材が失われた。事件で負傷した男性社員(52)は「蓄えてきたノウハウや、金に換えられないものを一瞬で奪われた」と話していた。

◆容疑者容体安定 会話訓練予定も 逮捕は見通せず

 京アニ事件で、重いやけどで大阪府内の病院に入院中の青葉真司容疑者(41)=殺人などの容疑で逮捕状=が、会話の訓練ができる程度まで回復したことが捜査関係者への取材で分かった。退院は数カ月後になるとみられ、京都府警は回復後の取り調べの進め方を慎重に検討している。

 逮捕は勾留に耐えられるとの医師の判断が前提のため、見通しは立っていない。関係者によると、当初生存が危ぶまれていた青葉容疑者は八月上旬に重篤な状態を脱し、簡単な意思表示ができるようになっていた。

 捜査関係者によると、青葉容疑者は、皮膚移植手術を終え、容体が安定してきた。人工呼吸器を付けているが、リハビリの会話トレーニングの予定が入っているという。

 

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