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【社会】

千葉南部の惨状ツイート 鋸南町議、台風直後から

雨の中、仮置き場に運び込まれた災害ごみ。町の復興は遅々として進まない=18日午前、千葉県鋸南町保田の保健福祉総合センター駐車場で(山田雄一郎撮影)

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 台風15号で停電や断水に見舞われた千葉県南部の鋸南町(きょなんまち)では通信網に大きな障害が生じ、県の被害把握が大幅に遅れた。被害をいち早く伝えたのは、町にゆかりのある人たちのツイッターで、同町議(共産)の笹生(さそう)あすかさん(38)=同町吉浜=もその一人だ。被害現場の画像も交えて支援を呼び掛け、町の危機的状況を内外に発信した。町の復興は遅れており、「正確な情報発信を心掛けたい」と、言葉に力を込める。 (山田雄一郎)

 「#鋸南町 大変なことに。木は倒れ、屋根は飛び、壁ははがれ、崩れているお家もたくさんあります。…(中略)…ふるさとの変わりように涙止まらず。車もアウト。でも、負けられない」

 台風15号が通過した九日。午後六時少し前に笹生さんがツイートした内容だ。自宅の二階窓ガラスが割れ、室内に暴風雨が吹き込んだ。家族にけがはなかったが、自宅で寝たきりの父の介護、母や妹との今後の生活を考えると不安が募った。何より、テレビも加入電話もつながらないことに恐怖が募った。

 携帯電話の電波は、辛うじて通じていた。変わり果てた町の姿を「一刻も早く外に伝えたい」。ダイレクトメッセージを交換し合う那覇市在住の知人から「ツイッターで情報発信したらどうか。それがあなたの使命」と励まされ、町の現状を発信することにした。

 つぶれた家屋、がれきであふれた漁港、吹き飛ばされたビニールハウス…。こうした光景を、時には涙ながらに、写真や動画で撮影。それらを添付してツイートすると「情報拡散に協力します」「電気が届いていない中、発信してくれてありがとう」と応援ツイートが寄せられた。

 中には「親と連絡が取れない」と相談を受けることも。今年三月に始めたツイッターのフォロワー数は、台風直撃前は三百だったが、今は千五百を超えた。鋸南町は公式ツイッターがなく、笹生さんのツイートが、多くの人の情報源にもなっている。

 大規模停電が発生した九日から一週間を経過したが、町の復興は遅々として進んでいない。十八日は断続的に雨が降った。多くの民家がブルーシートで屋根を覆っているが、雨漏りの懸念は尽きない。災害ごみが町内の仮置き場に次々と運び込まれ、爪痕の大きさをうかがわせる。笹生さんは一日も早い復興を願い、情報発信を続ける。

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