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【社会】

シベリア遺骨 597人分取り違え公表 厚労省「可能性」DNA鑑定へ

 戦没者遺骨収集事業を巡るシベリア抑留者の遺骨の取り違え問題で、厚生労働省は十九日、ロシア国内の九カ所で収集した遺骨五百九十七人分が日本人のものではない可能性があると発表した。専門家が十四年前から疑いを指摘していたが、同省は公表せず、ロシア側にも伝えていなかった。既に日本人ではないなどと判明している十六人分を除き、今後DNA型鑑定を実施し、再度確認する。

 厚労省によると、取り違えた可能性がある遺骨は、一九九九年七月〜二〇一四年八月にロシアのイルクーツク州やハバロフスク地方など九カ所の埋葬地で、現地の資料や証言などを根拠に日本人の可能性が高いとして収集したものだった。

 だが、これらの遺骨については、DNA型鑑定結果などを確認する専門家の鑑定人会議で〇五年五月〜今年三月、それぞれ日本人ではない可能性があると専門家から指摘されていたという。

 収集事業を担当する援護企画課の泉潤一課長は取り違えの可能性を認識しながら長期間公表しなかった理由を、ロシアでの収集作業に影響が出ることを懸念したと釈明。「スピード感に問題があったことは反省せねばならない。重く受け止めたい。(戦没者遺族に)おわびしたい」と述べた。

 この問題では、ザバイカル地方で収集した遺骨十六人分について「日本人のものではない」「日本人のものではない可能性が高い」とするDNA型鑑定の結果が昨年八月に出ていたことが、今年七月に判明。他にも取り違えの疑いが浮上していたことなどから、厚労省が鑑定人会議が発足した〇四年以降の議事録を精査するなど調査していた。

<戦没者遺骨収集事業> 政府は第2次大戦中に海外で死亡した戦没者の遺骨収集を1952年から実施している。2016年には、24年度までを集中実施期間とする戦没者遺骨収集推進法が施行された。厚生労働省によると、国内外の戦地での戦没者は約240万人。今年8月末現在、収容した遺骨は約127万6000人分で、未帰還の遺骨は約112万4000人分に上る。

 

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