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【社会】

日本馬、英で武者修行 現地GIで19年ぶり勝利のディアドラ

英国でディアドラと奮闘する(右から)込山雄太さん、吉村聖子さん、優一郎さん

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 競馬の母国・英国で日本チームが奮闘している。滋賀県栗東・橋田満厩舎(きゅうしゃ)所属のディアドラ(五歳)と、調教助手の込山(こみやま)雄太さん(49)ら。自然の形状を残したコースに驚きつつも、日本調教の牝馬としては初の英GI勝利を達成。勝負だけでなく、本場の競馬文化も楽しんでいる。  (英南東部ニューマーケットで、藤沢有哉、写真も)

 ロンドンから北東へ約百十キロのニューマーケット。一六六六年、他の騎手への妨害禁止などのルールを設けたレースが催されたため、近代競馬の発祥の地と呼ばれる。駅には歩みを誇るプレートが飾られ、トレーニング場では世界から集まった名馬が走り込む。ディアドラも、その一頭だ。

 ディアドラには込山さんの他に、橋田満さんの長女吉村聖子さん(39)と夫の優一郎さん(36)がサポート役で同行。一行は三月に離日して中東、香港と転戦。ディアドラは長距離輸送を苦にせず、挑戦の場を英国にまで広げた。馬主の支援を受けて、五月からニューマーケットで暮らしている。

 「コースは形がさまざまで、馬にはタフだ」とは込山さん。楕円(だえん)形に造成された日本のコースは坂道もなだらかだが、自然地形を生かした英国のコースは三角形や8の字形など多様で、起伏も激しい。優一郎さんも「筋力強化のトレーニングが必要となる」と語る。

ディアドラなど英国内外の馬が入るニューマーケットの馬房

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 六月の英国初戦で六着だったディアドラは八月、約百八十年の歴史があるナッソーステークスに出走。終盤の追い上げで、日本調教馬では二〇〇〇年のアグネスワールド(牡馬)以来二頭目の英GI勝利を果たし、現地メディアも「画期的勝利」(英紙ガーディアン)などとたたえた。

 三人は勝利の後、競馬が文化として根付く英国の風土も実感。スーパーやパブで周囲の人から祝福された。競馬場は社交の場でもある。「お弁当持って、おしゃれして家族で出掛ける感じ」と吉村さん。レースに続き、パーティーやライブが催されることもある。

 一方、日本には十万人超が集う年末の風物詩・有馬記念などがある。「英国とは違う競馬文化の魅力を伝えていきたい」と語る三人は当面、ニューマーケットを拠点にレースに挑む。ディアドラへの注目は日本競馬への関心につながると信じる。

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<英国の競馬> 10世紀までにスポーツとして人気が高まった。17世紀に入ると、繁殖やレースが盛んになり、ニューマーケット競馬場も整備。1750年に競馬の統括機関が設立されて共通ルールも設けられた。競走馬「サラブレッド」は、英国馬とアラブ産の馬などの交配を経て誕生したとされる。エリザベス女王も競馬好きで知られ、多くの競走馬を所有している。

 

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