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【社会】

「新しい自分」探し結実 御嶽海、苦悩の1年2カ月

2度目の優勝を果たし、祝勝会で大杯を手に笑顔を見せる御嶽海=22日、東京都墨田区で

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 二十二日に東京都墨田区の両国国技館で行われた大相撲秋場所千秋楽で、長野県上松町出身の東関脇御嶽海(26)が二度目の優勝を果たした。昨年名古屋場所で初めて賜杯を抱いてから一年二カ月。人知れず苦労を重ねただけに「やればできるんだと思った」と少しおどけながら振り返った。

 苦労の始まりは初優勝後だった。知らぬ間に感じた重圧に衝撃を受けた。「ストレスでまげが細くなっていた」。まげを結った床山が驚きの声を上げた。

 負の連鎖は続く。大関とりだった続く秋場所は9勝止まり。以降も三役の地位を守りながらも二桁勝利に届かず、周囲から厳しい声も聞こえた。「優勝した時はうまくいったのに、と思うと空回りした。自分に腹が立った」。成功体験が心と体の歯車を狂わせた。

 悩む御嶽海を尻目に、昨年九州場所では年下で当時二十二歳の貴景勝が初賜杯を抱いた。先に優勝した身として悔しさをかみしめつつ「自分を見つめ直す一年になった。新しい自分をもう一回、見せたい」と自身の相撲を見つめ直した。

 生みの苦しみが一年越しの秋に実を結んだ。成長の要因を、こう語る。「負けた時の気持ちの切り替え方。勝った時の気持ちの持ち方。この一年で学んだことが結果として出た」

 今後は大関昇進への期待が一層、膨らむ。出足の良さと前に出て突き押す取り口に、十五日間勝負に臨む心の整え方も会得した。苦難を経て一回り強くなったことが、二度目の賜杯をたぐり寄せた。 (永井響太)

 

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