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【社会】

仏の若手指揮者コンクール 沖澤のどかさん優勝

21日、仏ブザンソン国際若手指揮者コンクールの決勝で、指揮を終えた沖澤のどかさん(中央)=共同

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 【ブザンソン=共同】フランス東部ブザンソンで二十一日、第五十六回ブザンソン国際若手指揮者コンクールの決勝が行われ、青森県三沢市出身の沖澤のどかさん(32)=ベルリン在住=が優勝した。同コンクールで日本人としては、一九五九年に小澤征爾さんが初優勝して以来、十人目の優勝となった。

 沖澤さんは観客と演奏したオーケストラがそれぞれ選ぶ「観客賞」と「オーケストラ賞」も総なめした。小澤さんから続く優勝者の系譜に名を連ねたことについて「すごく重たく感じている。大きな賞に恥じないよう気を締めて頑張りたい」と喜びを語った。

 沖澤さんは幼少期からピアノやチェロを習い、東京芸大指揮科へ進学。同大学院修士課程を修了し、ドイツ・ベルリンの音楽大でも学んだ。昨年の東京国際音楽コンクールの指揮部門で女性として初めて一位となった。

 決勝は沖澤さんとフランス、中国の出身者計三人が競った。フランスの作曲家エリック・タンギ氏が今回のため作曲した管弦楽曲とドイツのリヒャルト・シュトラウスの交響詩「死と変容」が課題だった。

 死の床にある芸術家の心の動きを音楽にしたシュトラウスの作品では、沖澤さんは情感を細やかに表現。クライマックスを卓越した指揮で盛り上げて高揚感を導き、観客を引きつけた。

 ブザンソンのコンクールは五一年に始まり、九三年以降は二年に一度開催。八二年には松尾葉子さんが女性としてコンクール史上初めて優勝。佐渡裕さん(八九年)や山田和樹さん(二〇〇九年)らも輩出した。

◆「審査員も心奪われた」

 【ブザンソン=共同】振り上げた右手のタクトが宙に止まる。ホールに数秒間の静寂が訪れた後、拍手とともに「ブラボー」の歓声が繰り返された。沖澤のどかさんは、身長一五五センチの小柄な体格ながらダイナミックな指揮と緻密な音楽づくりで聴衆を魅了、審査員らも納得させた。

 授賞式後、沖澤さんは決勝の指揮について「リハーサルより演奏は熱を帯び、穏やかになった部分で自分の注意が足りず、大事な所でバイオリンが合わなかった」と反省する冷静さも見せた。

 審査委員長のフランス人指揮者ヤン・パスカル・トルトゥリエ氏は授賞式で、最初に観客賞とオーケストラ賞の受賞が発表された沖澤さんに対し「審査員も心を奪われた」と称賛した。

 

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