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【社会】

米の日系女子高生 辺野古移設 母国に問う 工事をドキュメンタリーに

那覇市で母緑さん(左)と話す与那嶺海椰さん

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 辺野古(へのこ)について何を知っていますか−。米ポートランド在住で日系2世の高校3年与那嶺海椰(かいや)さん(17)が、沖縄県名護市辺野古の沿岸部で進む米軍普天間(ふてんま)飛行場(同県宜野湾(ぎのわん)市)の移設工事を巡る現状をドキュメンタリー作品にまとめ、発信している。米国の若者に向けた映像はインターネットで8000回以上再生され、米各地で上映会も開かれている。

 与那嶺さんは昨年八月、那覇市出身の母親緑(もえ)さん(41)に連れられ、初めて辺野古を訪れた。移設先に近い米軍キャンプ・シュワブのゲート前で、埋め立てに抗議して座り込む年配の人たちを、警察官が排除する様子に衝撃を受けた。報道関係者が少ないことにも驚き「海を守ろうとする人たちがいることを、米国の若者に伝えたい」と記録映像の制作を思い立った。

 作品は「我(わ)した島ぬ宝(私たちの島の宝)」(約三十分間)。米の同級生らが、沖縄の高校生や玉城(たまき)デニー知事に「何を知ってほしいか」などと質問し、理解を深めていく。透き通る海や、地上戦で大勢の犠牲者が出た島の歴史も盛り込んだ。最後は、米の同級生らが「辺野古のために立ち上がろう」と次々に拳を突き上げて幕を閉じる。

与那嶺海椰さんが制作した、ドキュメンタリー作品「我した島ぬ宝(私たちの島の宝)」の一場面

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 校内で寄付を募り、今年三〜四月に辺野古を再訪。海への土砂投入や、それに反対する人々の姿を船上から追い、多くの人にインタビューして撮影は二百時間に及んだ。土砂採取のために削られた山を見て「沖縄の土で大事な海を壊すなんて」と涙があふれた。

 作品は六月に完成し、オークランドやシカゴ、シアトルなど米各地で上映会を開催。無関心だった米の若者からも「何かやりたい」と言われ、手応えを感じた。

 「造っているのは米軍基地。だから、米国の問題だ」と思う。「多様な生物のすむ海が破壊されたら、取り返しがつかない。多くの人に作品を見て考えてほしい」と力を込めた。

 作品を公開しているサイトは、https://vimeo.com/340517922

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