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【社会】

隠れ停電 住民憤り 家庭への引き込み線など損傷 東電のHPでは千葉「ゼロ」

停電の復旧作業を続ける作業員=千葉県南房総市で

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 台風15号の影響による千葉県内の停電について、東京電力ホールディングスは二十四日夜、停電戸数が百九十まで減少したと発表した。該当地域は富津(ふっつ)市や南房総市など九市町に点在している。いずれも道路の陥没などで作業は長期化が予想され、同社は完全復旧が二十七日以降にずれ込む可能性があるとの見通しを新たに示した。

 東電ホームページ(HP)上では二十四日夜、停電戸数が「ゼロ」になったと表示された。同社広報は、大まかな復旧情報が機械的に処理され、実態とは異なるデータが表示されたと説明している。

 停電戸数百九十には街灯や農業用電源設備なども含まれるという。東電は道路の復旧次第、住民がいる家屋へ優先的に電源車を配備する。

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◆「もう信用できない」

 千葉県内では二十四日も房総半島南部の地域を中心に復旧作業が続いた。東京電力が発表する停電戸数は同日夜で約百九十戸まで減ったが、一方で、家庭への引き込み線や電気設備の不具合で電気がつかない「隠れ停電」が各地で発生しているとみられる。

 「うちの地区は見捨てられたのか」。県東部の東金市滝沢地区の農家石田晃一さん(62)は十四日ごろ、スマートフォンで東電のHPから地区の停電情報が消えたのに気づき、がくぜんとした。八人で暮らす自宅はまだ電気が使えず、自家発電機で井戸水などをやっと動かしている状態だった。

 市や地区住民によると、十三日昼時点では同地区の停電は「百軒未満」、十四日には記載が消え復旧したことになっていた。だが両日とも、市が給水車の巡回時などに確認したところ、全世帯百八十戸の大半が停電していた。ようやく復旧したのは二十日昼。石田さんは「東電には自ら地区を回って状況を確認してほしかった。遅すぎる対応で、もう信用なんてできない」と憤る。

 隠れ停電はなぜ起こるのか。発電所で作られた電気は変電所で電圧を調整し、街中の高圧線に送られる。電柱の変圧器で低圧電流に変換され、家庭への引き込み線などに流れる。この低圧線や引き込み線が強風や倒木などで損傷すると、局所的な停電が発生する。

 東京電力パワーグリッド千葉総支社によると、停電と復旧状況を把握する際に確認するのは、高圧線の稼働状況のみ。引き込み線などの故障による停電は察知できず、高圧線の停電解消が確認できれば、その周辺は復旧したと判断される。

 復旧作業では高圧線の修復を優先しており、低圧線などの対応は遅れているという。担当者は「工事班の拡充を図り、一刻も早く全面復旧できるよう努める」と話す。

 千葉市によると、15号が上陸した九日から二十日までに「停電中なのにHPで通電したことになっている。今後ちゃんと復旧への対応をしてもらえるのか」といった電話相談が約百三十件寄せられた。

 このため市は電話相談や戸別訪問で得た情報をもとに、市HPで地区ごとの停電戸数を掲載している。二十四日朝は東電のHPでは市内は停電がなかったが、緑区や若葉区で計六十九戸の停電が確認された。 (太田理英子)

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