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【社会】

海面1メートル上昇 氷河40%消失 温暖化で今世紀末 国連特別報告書 警告

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 地球温暖化が進むと今世紀末に海面が一メートル強上昇し、世界の氷河は40%以上失われる恐れがあるとする特別報告書を、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が二十五日、公表した。生態系に深刻な被害が生じ、高潮や巨大台風による災害リスクが増すと警告した。

 IPCCは「温暖化抑制のためエネルギーや土地利用といった社会のあらゆる面で変革が必要だ」と指摘、来年に本格始動するパリ協定の下で温室効果ガス排出を迅速に減らす必要性を強調した。漁業資源の減少などで食料供給に影響が生じる懸念も示している。

 IPCCがまとめたのは「海洋と雪氷圏に関する特別報告書」。これによると、海面の高さはこの百年ほどで最大二十一センチ上昇した。グリーンランドや南極などの氷が解けて上昇のペースが加速している。

 温室効果ガス排出が最も多い場合、今世紀末に二十世紀末ごろと比べ最大一・一メートル上がると予測。厳しい対策を取って排出を低く抑えた場合でも最大五十九センチ上昇すると分析した。二三〇〇年に最大五・四メートル上昇するという。

 勢力の強い熱帯低気圧が増えるほか、降水量が多くなり、高潮などのリスクが増加する。

 報告書は、海水温の上昇などにより、海の生態系に深刻な変化が出るとの予測も示した。今世紀末までに世界全体で海洋生物が最大20%減り、漁獲可能な魚の量は最大24%減少すると見込んだ。白化によるサンゴ礁の減少が予想され、魚介類の減少や海岸の浸食、観光業の衰退といった悪影響が予想される。

 世界の氷河は今世紀末までに最大47%減少し、特に欧州のアルプスなどの小規模な氷河は最大80%以上失われるとした。山の氷河や雪が解けやすくなり、水力発電や農業分野の水利用に影響するほか、洪水や雪崩、地滑りなどの危険も高まると分析。山岳観光や、欧米や日本のスキー産業が打撃を受けるとした。

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