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【社会】

【動画あり】けん玉をネット接続 海外プレーヤーと対戦

けん玉をIoT化した「電玉(DENDAMA)」で競い合う子どもたち=葛飾区の東京理科大で

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 あらゆるモノがインターネットで便利になる時代。ついにけん玉もネットにつながり、自宅にいながら世界中の人と対戦できるようになった。昔ながらのおもちゃが最新テクノロジーによって、おしゃれでクールな「電玉(DENDAMA)」に生まれ変わり、現代っ子に受けている。(加藤健太)

LEDを内蔵し光る「電玉」

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 9月14日、東京理科大葛飾キャンパス(葛飾区)で電玉の体験会が開かれた。大皿から中皿、そして小皿へ。遊び方はけん玉と同じだが子どもたちは大興奮。技の成否をスマートフォンのアプリが判定してくれるので真剣勝負が盛り上がるのだ。小学3年の斎藤恵未莉さん(8つ)は「友達と対戦できるのが楽しい」と夢中になった。

 電玉は、無線通信の「ブルートゥース」でスマホにつないで遊ぶ。ネットに接続されているため、離れた友達や世界中のプレーヤーと対戦できる。

 技の判定を可能にしているのが、皿に埋め込まれたコイルセンサーだ。金属に覆われた玉が、どの皿に乗ったかを検知できる。さらに、本体に内蔵された傾きや加速度を測るセンサーのおかげで、玉を剣に差す「とめけん」か、その逆の、玉を持って剣をキャッチする「飛行機」かの区別もできる。

 「IoT(Internet of Things=モノのインターネット)という言葉を聞いたことがあるかな」。子どもたちにこう話し掛ける大谷宜央(よしひろ)さん(35)こそが、電玉の開発者だ。

開発の経緯を話す「電玉」の大谷宣央社長

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 2015年、デジタル製品の研究をしていた前職を辞め、技術者がアイデアを出し合うイベントにたまたま参加した。議論する中で、「高齢者はさらに増えていく。お年寄りが世代を超えて楽しめるものを作りたい」とヒントを得た。

 昼下がりの上野公園で片っ端からお年寄りに話し掛けると、「孫とけん玉で遊びたいが興味をもってもらえない」との嘆きを聞いた。「ゲーム的な要素を取り入れたら受けるはずだ」。そう思い付いた大谷さんを、けん玉の世界的な人気が後押しした。

 普及に取り組む一般社団法人グローバルけん玉ネットワーク(長野県)によると、競技用けん玉の流通台数から推計されるプレーヤーは500万人。最近は欧州のラトビアやルーマニアでブームが起きた。代表理事の窪田保さん(38)は「会員制交流サイト(SNS)で技を見せ合うことで輪が広がっている」と分析する。

 市場性を感じた大谷さんは、16年に電玉の製造販売会社を立ち上げた。初代の発売後、改良した現行モデルを18年にリリース。予想以上の売れ行きに手応えを感じつつ、「お年寄りを楽しませる目的は実現できていない。体験してもらう機会をつくっていきたい」と力を込めた。

 新しい技術と発想は、時代遅れのものに息を吹き込み、生活やビジネスを一変させる。大谷さんは「IoTでいろんな可能性が生まれる。これまでなかったエンターテインメントがどんどん増えていくだろう」と語った。

 電玉は7980円(税抜き)。渋谷駅すぐのカフェバー「DENDAMA&DARTS RE/D(リード)」(渋谷区宇田川町22−2)で体験できる。

葛飾区の東京理科大でけん玉をIoT化した「電玉」を組み立てる子どもたち

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