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【社会】

台風被害 館山の酒店 増税準備「間に合わない」 雨にぬれ会計ソフト使えず

伝票を手に「消費税増税の準備が間に合わない」と途方に暮れる加藤克美さん=27日、千葉県館山市で

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 台風15号で被害を受けた千葉県館山市の酒店が、消費税増税に向けた準備の遅れに頭を悩ませている。会計処理用のパソコンが雨にぬれて壊れ、専用ソフトが使えなくなったからだ。店主の男性は「政府は特例措置を設けるなど柔軟に対応してほしい」と話す。 (山口登史)

 「台風が直撃する三日前に、増税に備えた専用ソフトを入れたばかりだったのに」。市内の船形漁港近くにある一九二〇年創業の老舗酒店「白子屋酒店」で、店主の加藤克美さん(75)がこぼす。

 台風の影響で店は南側のガラス戸が割れ、屋根の瓦やトタンも飛ばされ、あちこちで雨漏りする状態だった。ソフトは業者への発注や顧客からの受注を入力すると、自動で税率を10%か、軽減税率の8%か判断してくれるが、パソコンが雨にぬれて電源が入らなくなった。

 店の周辺では道路沿いの電柱が何本も倒れたが、固定電話は使用できたため、事情を知らない県外の得意先を中心に注文が相次いだ。台風が直撃した翌日の十日、停電が続く中で加藤さんは仕事を再開した。しかし会計処理の大半をパソコンに頼っていたため、「水浸しになって途方に暮れた」という。

 店近くの自宅も大きな被害を受け、ブルーシート張りやがれきの片付けに追われた。停電は十四日に解消し、パソコンは業者に修理してもらったが、専用ソフトはうまく機能しないまま。「原因が分からず、とても十月一日の増税には間に合わない」と嘆く。

 一般的に、ビールや日本酒などの酒類は税率が10%だが、ノンアルコールビールやジュースは軽減税率が適用され8%となるなど、商品ごとに異なり複雑だ。このままでは、会計の際に税率を一つ一つ確認して手作業で入力しなければいけない。

 加藤さんは軽減税率の対象となる商品を改めて確認するなどして、できる限りの準備を進めつつ、こう訴える。「消費税増税は国の方針だから仕方ないと思っているが、多くの事業者が被害に苦しむ中、心情的には増税を延期してほしい」

 

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