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【社会】

消費税10%へ引き上げ 膨らむ負担 漏れる悲鳴

 8%から10%へ、市民の暮らしに大きな影響を与える消費税引き上げが1日、始まった。生活が苦しい世帯は「今後を考えるとぞっとする」と不安を募らせる。増税分を料金に転嫁する経営者も客離れを心配する。

◆子育て世帯 商品券 買う余裕なんてない

消費税の増税で家計がいっそう苦しくなると訴える女性=関東地方の社会福祉法人事務所で

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 今回の消費税引き上げでは、飲食料品などは8%に据え置く軽減税率が導入されたが、日用品や公共料金は対象外としている。

 「食品以外は全部値上がりするかと思うと恐ろしい」。関東在住のパート女性(43)はため息をつく。夫と二〜二十四歳の子ども八人の十人家族。大量に消費するトイレットペーパーや洗剤などは軽減税率の対象外だ。

 政府は子育て世帯や低所得者対策として、一人当たり二万円の負担で二万五千円分の買い物ができるプレミアム付き商品券を発行。家族や子どもの人数に応じ購入可能額が増えるが「まとまったお金がないのであまり買えない。直接給付してくれればいいのに」。

 シングルマザーも窮状を訴える。小学生と中学生の子どもを持つ千葉県市原市の派遣社員女性(36)は「生活はぎりぎり以下。増税前にまとめ買いしたり、プレミアム付き商品券を買ったりする余裕はない」。

 生活保護を受給して小学生の娘を育てる東京都の四十代女性は「子どもが服を欲しがった時に『しばらくご飯はもやしになるよ』と言って諦めさせている」と話す。いずれ働きたいと考えているが「増税で経済的に自立するのが大変になりそう」とこぼした。

◆中華料理店 据え置き限界 決意の値上げ

消費税増税に合わせてランチを値上げし、メニューを入れ替える「四季〓坊」の郭文玉さん=東京都港区で

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 一日午前零時を回り、JR新橋駅近くの中華料理店「四季〓坊(ぼうほう)」(東京都港区)の店主郭文玉(かくぶんぎょく)さん(51)は複雑な表情を浮かべた。

 二〇一四年に消費税が5%から8%に増税された際は「お客さんが離れるのが嫌」と価格を据え置いた。しかし今回は「もう限界」と値上げを決めた。ランチ代金は、消費税5%分だけを含めた七百八十七円から、10%分を入れた八百二十五円に。価格を替えたメニューをテーブルに配置し、「高くなった印象を持たれないか」と心配した。

 三十日夜から一日未明にかけ、同店で友人と飲んでいた東京都足立区の男性(34)は「きのう(三十日)は駆け込みで高価なゲーム機を買ったけど、飲み代は数十円の違いなので気にならない」と杏仁(あんにん)豆腐を口に運んだ。

 友人の会社員伊藤圭太さん(30)=横浜市鶴見区=は来年一月に第一子が生まれる予定に合わせ、七月に自宅を購入。「増税前に買えてよかった。数十万円の差は大きい」としみじみと語った。

 店にはテークアウトの客も。帰宅途中にギョーザとマーボー豆腐を買った東京都港区の女性会社員(27)は「これまで外食が多かったけど、軽減税率の対象となる持ち帰りが増えるかも」と話した。 (原田遼)

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