東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から > 10月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

白杖女性が電車に挟まれ死亡 京成立石駅でホームドアなく転落

白杖を持った女性が死亡したホーム=1日、東京都葛飾区で

写真

 一日午前十時二十分ごろ、東京都葛飾区の京成押上線京成立石駅で、視覚障害がある無職秋谷喜代子さん(66)=荒川区東尾久二=がホームから転落し、駅に入ってきた羽田空港国内線ターミナル発印旛日本医大行きの下り普通電車と接触し、死亡した。ホーム上に点字ブロックがあったが、転落を防ぐためのホームドアは設置されていなかった。 (井上真典、木原育子、奥村圭吾)

 警視庁葛飾署によると、改札に設置されたカメラに白杖(はくじょう)を使って歩く秋谷さんの姿が写っていた。ホームでふらついて線路に転落し、よじ登ろうとしたところで、駅に入ってきた電車とホームの間に挟まれた。秋谷さんは障害者手帳を持っていた。ホームにいた女性二人が転落を目撃し、このうち一人が非常停止ボタンを押した。電車の運転士は「急ブレーキをかけたが、間に合わなかった」と話しているという。

 電車が駅に入って来るのを目撃したアルバイト男性(70)は「電車は何度も警笛を鳴らしながら入ってきた」と振り返り、「ホームドアをつけないと危ない。駅員がいたら一緒にホームについてあげるなどの配慮が必要だ」と話した。

◆京成69駅のうち設置は2駅 安全確保2.9%

 視覚障害者が駅のホームから転落して電車にはねられる事故は後を絶たない。鉄道会社や国土交通省はホームドアの設置を進めるが、今回事故のあった京成電鉄は全六十九駅のうち、ホームドアがある駅は二駅のみで、設置率は2・9%にとどまっている。

 国交省によると、二〇一七年度、ホームからの転落は二千八百六十三件で、このうち視覚障害者が六十五件だった。一六年八月には、東京メトロ青山一丁目駅(東京都港区)で盲導犬を連れていた会社員男性=当時(55)=が線路に転落し、電車にひかれて死亡。その後も、一七年一月には埼玉県のJR蕨駅で、一八年九月には東京都品川区の東急線下神明駅で、それぞれ視覚障害者の男性が線路に転落し、電車にはねられて死亡する事故などが起きている。

 京成でホームドアがある二駅は京成日暮里駅と空港第2ビル駅。成田空港駅にも本年度設置予定で、東京五輪に向け、海外からの訪日客が多く利用する特急スカイライナーの停車駅を優先して設置している。

 広報担当者は「ホームがカーブしていたり、古い駅でホームドアの重量に耐えられなかったりして、構造上設置できていない駅が多い。施設と費用の両面で難しさがある」と話す。

 国交省によると、一日の平均乗降客数が十万人以上の二百七十九駅のうち、ホームドアがあるのは百二十三駅で設置率は約44%。ホームドアがある駅は全国七百八十三駅(今年三月末)で五年前から二百件増えたが、さらなる整備が必要とされている。

 国交省などは軽量で費用負担の少ない新型ホームドア設置を促している。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報