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【社会】

京都副支社長に金品 関電、原子力以外でも癒着か

 関西電力役員らの金品受領問題で、京都支社の副支社長だった三人が、福井県高浜町の元助役森山栄治氏(故人)から金品を受け取っていたことが、分かった。関電は、森山氏と関係の深い地元の建設会社「吉田開発」に対し、京都支社が管轄する地域の工事について入札を実施しない「特命発注」により受注させていた。原子力部門と直接関係のない工事でも癒着が疑われる構図が鮮明になった。

 吉田開発を巡っては、金沢国税局が昨年一月に税務調査を始めた翌月、関電側は、森山氏から受け取った金品のうち約一億六千万円相当をまとめて返還していたことが判明。税務調査が関電役員らに及べば問題を指摘される恐れがあり、なるべく早期に返還しようとした可能性がある。

 特命発注は八件。二〇一四年九月〜一七年十二月で、関電が東京電力福島第一原発事故後に停止した原発の再稼働を目指した時期と重なる。吉田開発は、福井県や京都府北部にある社宅や配電営業所などの社屋のほか、水道水をためるタンクの工事などを受注した。

 京都市内に住む森山氏は京都支社と交流があり、三人の副支社長に計約二百六十万円相当の現金や商品券、スーツ仕立券を渡していた。三人は関電が金品受領を認めた二十人に含まれるが役員ではないため名前は非公表で、社内処分もしていない。

 一方、関電や関係者によると、金沢国税局は昨年一月、吉田開発に対し、裁判所の令状に基づく強制調査(査察)に着手。架空外注費を計上することで裏金を捻出し、原発関連工事の受注に絡んで世話になっていた森山氏に約三億円を提供していたことを把握した。

 数カ月後、森山氏の自宅を調べると、多数の金品が見つかり、それぞれに関電役員らの氏名と「確かに返しました」との趣旨を記した文書が添えられていた。総額は一億五千九百八万円に上った。

◆関電と同事案 電力12社なし 社内調査

 関西電力役員らの金品受領問題を踏まえ、大手電力など計十二社が社内調査を実施した結果、関電のような「儀礼の範囲」を超える不適切な事案はいずれも確認されなかったことが分かった。十二社は関電を除く大手電力九社と、電源開発(Jパワー)、日本原子力発電、日本原燃の三社。

 調査を続けていたJパワーが五日「役員を対象に書面調査した結果、問題はなかった」と明らかにした。

 関電問題を巡っては、経済産業省や業界団体の電気事業連合会がコンプライアンス(法令順守)の徹底を要請していた。

 

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