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【社会】

原発関連社長、6400万円着服か 三菱重工子会社「架空出張」、解任

 三菱重工業の子会社で原発の設計を手掛ける「MHI NSエンジニアリング」(NSエンジ、神戸市)の社名変更前の社長が、架空の出張を繰り返して約六千四百万円を着服したとして、二〇一八年三月に解任されていたことが、同社などへの取材で分かった。

 解任されたのは、西原幸夫氏。東京大大学院の修士課程を修了後、三菱重工業に入社。原子力プラント設計部長など原子力部門の要職を歴任した後、東京電力福島第一原発事故後の一一年六月から、NSエンジの前身の西菱エンジニアリングの社長を務めた。

 NSエンジは一八年六月、西原氏に返金を求めて神戸地裁に民事訴訟を起こしている。同社や訴状によると、西原氏は一五年ごろから、電力会社の営業拠点幹部へのあいさつや電力グループ会社への営業名目で北海道や青森県、愛媛県などへの航空運賃やタクシー代金を多数回にわたり請求。社内調査で出張日に別の場所でゴルフをするなど多くが架空と判明し一八年三月の臨時取締役会と株主総会で社長を解任された。

 西原氏は訴訟の陳述書で「出張旅費精算でミスとはいえ、過誤請求をしてしまった」とする一方、「非常に多数回の出張をしていたが、三菱重工業からの意向を受け、電力会社等の幹部らとの信頼関係の構築と維持などのために使命感を持って行っていた」と主張。全額の返金には応じないとしている。西原氏は八日夜、本紙の取材にも「出張回数が多すぎて、間違ってミスをした」と答えた。

 NSエンジの竹中朗(あきら)取締役は、西原氏の説明に対し「そもそも出張自体をしていない。あくまで業務と関係のない個人の不正」と反論。現時点では、刑事告訴はしていないという。

 福島事故後にできた原発の新規制基準に適合し、再稼働した西日本の五原発九基は加圧水型の発電形式で、いずれも三菱重工業が建設に関わった。信用調査会社によると、再稼働に向けた事故対策工事の特需もあり、NSエンジの営業利益は一九年三月期で約三十一億円と、五年前の四倍近くになった。従業員数は約八百五十人。 (藤川大樹、鷲野史彦)

 

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