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【社会】

電話に「ああ、来たかなと」 ノーベル賞吉野さん会見 一問一答

 今年のノーベル化学賞の受賞が決まった吉野彰さんは九日夜、所属する旭化成本社(東京)で記者会見した。主なやりとりは次の通り。

ノーベル化学賞の受賞が決まり、笑顔で記者会見する吉野彰さん=9日午後7時58分、東京都千代田区で(中西祥子撮影)

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 ◆受賞決定の連絡はどのように。

 部屋の電話が鳴りましてね。最初に「コングラチュレーション」と言われたので「ああ、来たかな」と。その後に(スウェーデン王立科学アカデミーの)電話インタビューがあったんですが、私のつたない英語が世界中に発信されちゃうので憂鬱(ゆううつ)です。記者会見場に来て逆にほっとしました。

 ◆会見場には大勢の社員も詰め掛けている。声を掛けるなら。

 私がノーベル賞を受賞したことで、社員の方々にも誇りに思ってもらえることが、何よりうれしい。これまでに他の賞をいただいた時も社員の方やご家族、子どもさんたちが喜んでくれた。自分にとってはそれがとてもありがたい。

 ◆自身が開発に携わったリチウムイオン電池の恩恵を実感するときは。

 

 リチウムイオン電池は携帯電話などに使われていますが、私自身は携帯に拒否感があって。スマートフォンを持ったのもまだ五年前。非常に便利なツールで、リチウムイオン電池が間違いなく役に立ったんですが。その意味では私自身はまだ実感できていません。

 ◆リチウムイオン電池はこの先の未来にどう使われていくと思うか。

 今後、電気自動車(EV)への応用が広がっていくが、単にEVだけで物事を見てはいけない。人工知能(AI)やロボットなど、次の大きな変革が始まっている。そういうものとうまくドッキングしながら、リチウムイオン電池も展開していくべきだと思います。例えば無人の自動運転のEVに好きなときに誰でも乗ることができるカーシェアリングなども、サステイナブル(持続可能)な姿ではないか。十年くらい先にはそういう姿がみえてくるといい。

 ◆研究者として成功できた理由を自己分析すると。

 研究者には頭の柔らかさ、柔軟性と、それと真逆の執着心、あきらめない気持ちの二つが必要。硬いばかりではめげちゃうし、柔らかいばかりでは前に進まない。大きな壁にぶつかったときにも「何とかなるわ」という柔らかさが必要です。あとは、自分の研究が必要とされる未来が来るかどうか、未来を読みながら研究を進めていく。それらがあれば、少々の苦労があっても必ずやり通せるのだと思います。

 

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