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【社会】

茶色の濁流 街のみ込む 首都圏上空ルポ

 茶色の濁流に街がのみ込まれていた。台風19号上陸から一夜明けた十三日、堤防が決壊するなどして甚大な被害を受けた首都圏を、上空から取材した。

 埼玉県川越市では荒川が氾濫し、どこが川だったか分からないほど。川の水が流れ込んだ一帯は、途中で道路が水没し、住宅街が丸ごと水につかっていた。

 約百人の高齢者が入居する川越市の特別養護老人ホーム「川越キングス・ガーデン」は孤立状態に。消防隊員らがボートで救出に向かい、二、三人ずつ対岸まで救出していた。

 埼玉、栃木、群馬、茨城県境の渡良瀬遊水地では河川敷が水没し、茶色の巨大な池と化していた。付近の集落では、孤立した住宅で防災ヘリが救助活動を行っていた。本来なら三連休で、秋の行楽でにぎわっていたはずの「あしかがフラワーパーク」(栃木県足利市)も茶色で覆われた。人の姿はなく、敷地内の車は天井付近まで浸水していた。

 栃木県佐野市や鹿沼市では濁流で橋が崩落。佐野市内の秋山川にかかる橋の一つは大部分が流され、濁った川の水がしぶきを上げて川下に流れていた。少し下流では堤防が決壊。あふれ出た川の水が勢いよく住宅街に流れ込んでいた。一帯の家屋は一階部分が水につかり、白いワゴン車が横倒しになっていた。

 台風19号は山間部にも深い爪痕を残していた。

 茶色の太い帯のようになった多摩川に沿って、河口からヘリでさかのぼること一時間。東京都八王子市内の中央自動車道では、斜面の崖から削り取られた黒っぽい土砂が、道路を寸断していた。土砂は泥流となって道路を乗り越え、さらに家屋に流れ込んでいた。

 ヘリが相模原市緑区の山間部にさしかかると、むき出しになった赤茶けた山肌が眼前に迫ってきた。緑の山は山頂付近から大きくえぐられ、なぎ倒された木々がマッチ棒のようにふもとに散乱していた。 (中沢誠)

 

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