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【社会】

浸水範囲、想定と一致 台風19号被害の福島・長野 ハザードマップ 避難に有効

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 記録的な大雨をもたらした台風19号によって多くの犠牲者を出した福島県や長野県などで、自治体が作った大雨による被害を想定したハザードマップと、国土地理院がまとめた実際の浸水地域がほぼ一致していることが、国土地理院への取材などで分かった。

 住民が自然災害にあらかじめ備えるために作られたハザードマップが、早期に避難するなど、適切な行動を取るための手段として有効であることが実証された形だ。専門家は「被害を減らすため、積極的に活用すべきだ」と指摘する。

 ハザードマップは、地形や地質などから、浸水や土砂災害といった自然災害の危険性が高い地域を予測した地図。各自治体が避難ルートや警戒すべき地域などを明示し、住民に配布したり、ホームページ上で公表したりして周知している。

 国土地理院によると、阿武隈川の堤防が決壊した福島県国見町川内付近では、推計最大約五・二メートルの浸水があった。実際の浸水被害は地図上に濃い青色で表示されており、ハザードマップの「洪水浸水想定区域」上で浸水の深さ五〜十メートルを示すピンク色で塗られた範囲とほぼ重なっていた。

 千曲川の堤防が決壊した長野県。北陸新幹線の車両百二十両が水に漬かったJR東日本の長野新幹線車両センターがある地域も、実際の被害を示す濃い青色の部分と、ハザードマップ上で浸水の深さ十〜二十メートルを示す濃いピンク色が一致した。

 首都大学東京の中林一樹名誉教授(都市防災学)は「自治体は想定外とならないようマップの見直しを進めており、有効性が示された。自治体はマップを配るだけでなく、どういった状況が危険なのかなど、住民に活用方法を教える必要がある」と話した。

◆着の身着のまま「寒くてつらい」 宮城・丸森の避難所

仮設トイレ用の水をプールからバケツで運ぶ角田高1年の塩沼桜音さん。「少しでも役に立てればと思って、できることをやっています」と話した=17日午前8時38分、宮城県丸森町で

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 台風19号により大規模な浸水被害が出た宮城県丸森町では十七日朝、この秋一番の冷え込みとなり、避難所に身を寄せる住民は疲労と不安を募らせている。

 「寒かった。自宅に戻れるか不安もあり、熟睡できなかった」。館矢間小の校舎に避難している介護員八巻智子さん(56)は、疲れた表情を見せた。固い床にござと薄いマットを敷き、毛布にくるまって夜を過ごした。運営に当たる町職員は「できる限りの対応をしたい」と話した。

 同じく避難所になっている丸森小では、着の身着のままで避難してきた住民も多く、夜中にせきをしたり「寒い」と起き上がったりする人もいたという。

 先の見えない避難所生活だが、助け合いの輪も広がる。丸森小に避難している角田高一年の塩沼桜音(ろね)さん(15)は、仮設トイレ用の水をバケツで運ぶ手伝いをした。「今朝は寒くてつらかったが、お年寄りが多いので、少しでも自分ができることをしたい」と笑顔で話した。

 

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