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【社会】

三陸鉄道 再び試練 震災から復活、リアス線開通したが

台風19号の被害で宙づりになった三陸鉄道リアス線の線路=15日、岩手県山田町で

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 東日本大震災の津波被害から復活し、復興の象徴となった岩手県の第三セクター三陸鉄道が、再び試練に直面している。不通だったJR線の一部を引き継ぎ三月にリアス線として開通したばかりだったが、台風19号で被災し全面復旧までの期間は見通せない。住民からは「早く戻ってきて」と願う声が相次いだ。

 「釜石市でラグビーのワールドカップが開催され、三鉄も盛り上がっていたのに残念だ」。宮古市の教諭熊谷和浩さん(57)は肩を落とした。

 三陸鉄道は二〇一一年の震災で甚大な被害を受けながらも、一四年に北リアス線、南リアス線全線が復旧。JR山田線宮古−釜石間を引き継ぎ、八年ぶりに開通させた今年三月には、多くの人が沿線に集まり横断幕や大漁旗を掲げて祝った。一九年度は四年ぶりの単年度黒字も見込んでいた。

台風19号の被害で、一部区間のみで運行している三陸鉄道リアス線=17日、同県宮古市の宮古駅で

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 しかし、台風19号では、土砂の流入やのり面崩落などで線路の被害が六十三カ所に及び、全線百六十三キロのうち、釜石−宮古と田老−久慈の計約百十四キロが不通となっている。

 代行バスが走っているが、通学で利用する山田町の高校三年阿部太洋さん(17)は「バスは本数も少なくて、部活をするのに困る。早く復旧してほしい」と話す。

 山田町の陸中山田駅前で文具店を営む松本龍児さん(67)は「三月の全線開通後、通学に利用する学生や観光客らで満員の車両を見て毎日喜んでいた。災害が原因では仕方ないが、早く戻ってきてほしい」と願った。

 三陸鉄道には、各地から「復旧したらまた乗るので、がんばってください」という応援の声が寄せられているという。「全国の皆さんから激励のメッセージをいただき、本当にありがたい」と中村一郎社長。再び災害に見舞われた地域の希望となるべく、復旧を急いでいる。

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