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【社会】

「早く両親に会いたい」 相模原の土砂崩れ 台風被災から9日、捜索難航

土砂の中から見つかった佐々木睦さん(右)と定子さんの写真=佐々木一彰さん提供

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 台風19号による土砂崩れで自宅が流された相模原市緑区牧野の佐々木睦(むつお)さん(67)、定子さん(63)夫婦は今も行方不明のまま。現場は道路が土砂で寸断され、懸命の活動を続けてきた捜索隊は二十一日、手作業で十三日から続けてきた捜索を当面中断し、重機の投入に向けて道路の土砂の撤去を始める方針を示した。「一日も早く会いたい」と願っていた家族は「捜索に携わった皆さんに感謝でいっぱい。なんとか二人の顔を見たい」と声を詰まらせた。 (丸山耀平)

 長男で千葉県富里市の会社員、一彰さん(41)によると、睦さんは元東京消防庁職員で、定年退職後は自宅近くで畑作業をしていた。定子さんは准看護師。誰にでも優しい性格で、一彰さんが子どものころ、遊びに来た友人と親しげに話し、一彰さんがいなくても友人が定子さんを訪ねるほどだったという。

 夫婦仲は良く、今年三月にはバレーボールの全国大会に出場する一彰さんの娘の応援のため、そろって大分県に足を運んでくれた。「働いているときは二人の休日が合わなかったので、やっとゆっくり夫婦の時間を過ごし始めたところだったのに」と話す。

 土砂崩れが起きたのは、十二日午後九時四十五分ごろ。直前の同午後九時ごろ、長女の看護師中村由香さん(37)=東京都八王子市=は、定子さんから「水が流れてきた、植木が崩れている」とSNSで連絡を受けた。すぐ電話し「今すぐ逃げなね」と避難を勧めたが、間もなく地元の知り合いから「家が土砂でなくなった」と聞いた。「手を引いて連れてくればよかった」と涙ながらに悔やむ。

 一彰さんが現場を見たのは、翌十三日午前十時半ごろ。子どもの頃に過ごした二階建ての母屋も物置も車庫もすべて土で埋まっていた。「初めて見る光景で、声が出なかった」

 捜索で二人の写真や家具などは見つかり、家の土台の石垣も掘り出されたが、手作業による捜索は難航。天候不良による二次被害の懸念もあり、断続的に雨が降った十七、十八日は何度も捜索が中断。未明に強い雨が降った十九日は現場捜索をやめ、ボートで相模湖などを見回った。

 二十一日は二百人態勢で現場での捜索活動を再開したが、発見はできなかった。一彰さんは「一日でも早く会いたい。捜索活動には本当に感謝しているが、もどかしい」と唇をかむ。

 相模原市を含む県西部では二十二日、一〇〇ミリを超える大雨が予想されている。

土砂の流れ込んだ住宅の様子を見に行く家族ら=21日、相模原市緑区牧野で

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