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【社会】

即位の礼各地は 祝い、見守り、願う

赤坂御所へ戻られる天皇陛下の御料車を見送る人たち=東京都千代田区で

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 天皇陛下が即位を内外に宣言した即位礼正殿の儀が行われた22日、東京都内はあいにくの雨に。都心部は厳戒態勢となり、警察官が各所で目を光らせた。皇居前や繁華街に集まった人びとは、新しい時代の皇室に期待を寄せた。

◆皇居前 「国際交流に力を」

 厳重な警備が敷かれた皇居前の内堀通りは、雨の中、大勢の人で混み合った。儀式が始まった午後一時ごろにいっとき、雨雲から太陽の光が差し、「幸先が良い」との声もあがった。

 東京都荒川区の会社員小林二三男さん(75)は「実家で昭和天皇の肖像画を掲げていたので、子供のころから皇室は身近な存在。パレード延期は仕方がないが、節目となる式典を実施するのは大切です」。令和の皇室については「厳しい警備を変えて、より身近な存在になってほしい」と話した。

 北海道から泊まりがけで来たのは、斉藤美香さん(54)=札幌市=と只浦(ただうら)真紀子さん(50)=函館市=の姉妹。昨年、北海道を訪問した当時の天皇、皇后両陛下(現上皇ご夫妻)を間近に見た。「ご高齢なのに被災地などを訪問されており、尊敬します」と只浦さん。パレードを見るためホテルと飛行機を予約後、延期が決まったといい「被災地への配慮からやむを得ない」。

 斉藤さんは「雅子さまは英語が堪能で社交的でいらっしゃるので、国際交流に力を発揮していただければ」とエールを送った。

◆新宿 「より身近に」

 新宿駅東口のアルタの大画面では、即位礼正殿の儀のテレビ中継画面が映し出され、買い物客らが立ち止まって画面を見つめた。

 ランチを終え、友人と中継を見ていた東京都八王子市の会社員、杉真智子さん(24)は「品がよくて尊い方々だと思った」と笑顔。平成の時代、上皇ご夫妻が被災地を何度も訪れていたことに触れ、「元気をもらっている人がたくさんいたと思う。天皇陛下と皇后さまにも続けていただきたい」と願った。

 新宿区の社会教育講師、泉史生さん(67)は、上皇ご夫妻が被災地への訪問を重ねる様子を見て「以前より親しみを覚えるようになった」という。そして、両陛下ともに海外留学経験があることから「グローバル化が進む中、日本がこれからどう海外に開かれていくかが楽しみ」と話した。 (小倉貞俊、山下葉月)

「即位礼正殿の儀」を報じる東京・新宿の大型モニター=いずれも22日

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◆被災地 「世の中明るくなって」

 台風19号の被災地では二十二日、片付けや復興に向けた作業に追われた被災者から、即位の礼のテレビ中継を「見ている暇はない」という声が上がった。一方で「元気をもらえた」「これをきっかけに明るく」と前向きに捉える意見もあった。

 福島県いわき市の避難所では中継を見る人はまばら。同市の無職新妻好幸さん(65)は「みんな疲れていたり、家の片付け作業に追われていたりで、見ている暇はない」と話した。

 大きな被害を受けた宮城県丸森町。元町職員湊剛さん(91)は土砂が流れ込んだ自宅の片付けの合間にニュースを見た。「関心は持っていたが、今は片付けでいっぱいで頭に入らなかった。まずは復旧が第一。その後、心からお祝いできたらいい」

 長野市の浸水地域の一部では二十二日も避難指示が出た。小学校に避難する土屋周さん(79)は「今の被災地にも目を向けてほしい」と語った。

 同市の避難所に物資を取りに来た会社員井上豊さん(50)はパレードを見に上京する予定だったが、被災後にホテルなどをキャンセルした。「直接見たかった」と残念がった。

 福島県本宮市の避難所でテレビ中継を見た橋本美恵子さん(88)は「先が見えないが、少し元気をもらえました」と笑顔。市内の別の避難所にいた遠藤嘉子さん(92)は「あまりにもきれいで、言葉にならない」と涙ぐんだ。

 家族で営む生花店が浸水し、枯れた花を片付けていた丸森町の古川和也さん(40)は「最近は暗くてつらい話題ばかりなので、今日をきっかけに世の中が明るくなってほしい」と願いを込めた。

壇上のテレビで「即位礼正殿の儀」が放映される、避難所の体育館=22日、長野市豊野町の豊野西小で

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