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【社会】

弁護士一家殺害30年 坂本さん追悼の音、今年も 28日から各地で演奏

坂本さん一家の写真を掲げる今野強さん(左)、和子さん夫妻。慰霊や被災地支援で演奏会を主催してきた=いずれも埼玉県坂戸市で

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 坂本堤弁護士=当時(33)=一家がオウム真理教幹部らに殺害された事件は十一月四日、一九八九年の発生から三十年を迎える。坂本さんと親交のあったバイオリニスト松本克巳さん(66)=東京都小平市=らが毎年実施している慰霊の演奏会が二十八〜三十日、新潟県や富山県の遺体発見現場近くなどで今年も開かれる。松本さんは「このような事件が起きてはならないと今後も伝えていきたい」と話している。 (中里宏)

 松本さんが坂本さんと知り合ったのは日本フィルハーモニー交響楽団(日フィル)に入団した八〇年。坂本さんは労働争議中だった日フィルを支援していた。同じ二十代で、すぐに意気投合。演奏旅行の宿舎では、坂本さんや妻都子(さとこ)さんらと一晩中語り明かした。

 一家が行方不明になった翌年の九〇年から、坂本さんと労働争議を支援していた今野(いまの)強さん(76)=埼玉県坂戸市=が事務局となり、一家の救出を訴える小演奏会を繰り返した。坂本さん夫妻の人生を伝えるため九三年から、演奏会タイトルを「愛とヒューマンのコンサート」にした。

 九六年には、坂本さんの母親さちよさんも同行して阪神大震災の被災地へ。演奏を聴いた女性が「私なんか死んでいれば良かったと思っていたが、生きていて良かった」と泣き崩れるのを見て、音楽の力を実感したという。

 一家が殺害されたことが判明してからは、慰霊地のほか、新潟県中越地震や東日本大震災の被災地なども訪れた。「坂本さんが生きていたら、必ずやっていたはずだ」と松本さん。

 今野さんがプロデュースした同タイトルの演奏会は六百回を超え、大半に松本さんも参加。松本さんは「演奏を通じて各地で人のつながりができた。人とのつながりを大事にした坂本さん夫妻の思いが被災地ともつながったと感じる」と話す。

 慰霊の演奏会は二十八日に新潟県上越市、二十九日に富山県魚津市、三十日に同県黒部市で。一家の命日の十一月四日には坂戸市文化施設オルモで午後二時から、松本さん、森崎由紀子さん、フルートの石井陽子さんが演奏する。問い合わせは今野さん=電090(3519)6610=へ。

28日から坂本さん一家慰霊の地で演奏する(右から)松本克巳さん、森崎由紀子さん、林真山さん

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