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【社会】

千葉の指定率、全国ワースト 警戒区域外で土砂崩れ

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 計四人が死亡した千葉県内の土砂崩れ現場三カ所は、市町村が避難体制を整備する土砂災害警戒区域に指定されていなかったことが、県への取材で分かった。うち二カ所は県が警戒区域への指定準備を進めていた他、今回の大雨では県が危険箇所と認識していない場所でも土砂崩れが起きた。国のまとめでは、県は警戒区域の指定率が全国で突出して低く、住民への危険の周知が遅れたかたちとなった。

 住宅一棟が裏山の土砂にのまれ、一人暮らしの六十代男性が遺体で見つかった千葉市緑区板倉町の現場では、二階建ての母屋や倉庫が跡形もなく崩れ落ちていた。付近では三十年前にも土砂崩れがあり、隣家までは県の事業でコンクリートの防壁ができたが、男性宅の裏は竹林のまま。近所の農家山崎英明さん(79)は「他に比べて山が低く、必要がないと判断されたのかもしれない」と話す。

 県は男性宅も含めて土砂災害の危険箇所と捉え、今年十二月ごろに住民説明会を開いた後、土砂災害警戒区域に指定する予定だった。警戒区域になれば市が土砂災害ハザードマップを作り、避難を啓発する。五十代の女性が亡くなった市原市郡本三の現場も同様に、警戒区域への指定を目指していた。

 一方、二人が犠牲になった千葉市緑区誉田(ほんだ)町三の現場は、県が土砂災害の危険性を把握していなかった。市は二十五日午後三時前に警戒区域の指定地域に避難指示を出したが、この現場は対象外。付近の住人は「土砂崩れが起きるとは想像していなかった」と口をそろえる。崩落後に警察に促されて避難した人が多かったという。

 国土交通省の二月のまとめによると、都道府県が危険と判断した対象地域のうち、土砂災害警戒区域に指定した割合(指定率)は、全国平均の83・96%に対し、千葉県は33・07%と最下位だった。

 県は警戒区域指定に際して住民説明会を必ず開いている。県河川環境課によると「なぜ危険といえるのか」「区域に指定されるなら家を買わなかった」などと理解を得られず、指定に時間がかかるケースもあるという。

 同課防災対策室の安田善一室長は「力不足を感じる。今年は説明会を増やすなどし、指定のペースは上がっている」と説明。千葉市危機管理課の国方俊治課長は「区域外でも危険があれば避難してほしいと伝えてはいた。危険性をどう周知するか、もう一度考えたい」と話した。 (福岡範行、太田理英子)

 

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