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【社会】

「異国に後輩 ロマン感じる」 荒川商卒業生ら惜別と期待

荒川商での思い出を語り合う桐門会の安沢会長(右から2人目)ら学校関係者=足立区の都立荒川商で

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 二〇二二年三月に閉校する東京都立荒川商業高校(足立区)の校名が「ARASHO」の名で、同窓会の支援で東南アジアのラオスの学校に引き継がれることになった。荒川商の同窓会関係者は、母校の閉校を惜しみつつ、ラオスで「後輩」たちが育つことに期待を込める。 (天田優里)

 荒川商業の同窓会「桐門(とうもん)会」の支援で今年三月に新校舎が完成したのは、ラオスの農村地帯マイバンマセル村にある公立マイバンマセル中高校(日本の小六〜高三に相当)。十二〜十八歳を中心に、約二百五十人が通う。

 緑色に塗られた真新しい平屋の鉄骨新校舎は、広大な大地に立つ。四つの教室には二人掛けの机やいす、黒板が置かれ、トイレと水タンクも校舎脇に設けられた。四月から新校舎の利用が始まった。

 マイバンマセル中高校はそれまで村内の別の場所にあったが、築四十年の校舎が老朽化。敷地内に小学校が併設されたことから手狭となり、移転を検討してきた。

荒川商同窓会「桐門会」の会費で建設した新校舎(手前)。奥は生徒用の寮=アジア教育友好協会提供

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 新校舎の用地の整地作業には、ラオスの生徒や住民らも加わった。新校舎の隣には、同窓会会長の安沢富士子さん(61)と荒川商元校長の森田聖一さん(67)による寄付で、遠方に自宅がある生徒用の寮も建設した。

 安沢さんは「閉校は寂しいが、遠い国で校名が受け継がれ、地域に愛されるならうれしい。違う国で母校名が脈々と生き、新たな後輩が巣立っていくことにロマンを感じる」と思いをはせる。いずれも副会長の加納正子さん(62)と藤田三枝さん(64)は「母校がなくなるのは寂しいが、教育の役に立てるのはうれしい」と話している。

 新校舎完成を記念した「開校式」は十一月十四日に現地で開かれる。支援を仲介したNPO法人、アジア教育友好協会(千代田区)の金子恵美事務局長(49)は「開校式前だが、既にARASHOの校名は子どもたちにも浸透し、勉強に励んでいる」と話している。

<荒川商業高> 1918(大正7)年、夜間の商業補習学校として開校。50(昭和25)年に現在の校名となり、60(昭和35)年に全日制を設置した。荒川と隅田川に挟まれた足立区小台にある。同窓会の桐門会には卒業生約2万人が加入している。進路実績などから2021年度で閉校する。跡地の校舎を利用し、不登校の生徒らを対象とした「足立地区チャレンジスクール」が22年度に開校する予定。

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