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【社会】

迫る冬、人手足りず 台風19号被災地

 台風19号やその後の豪雨災害をめぐり、浸水家屋の泥のかき出しなどを手伝うボランティアが各地で不足している。被害が東日本全域と広範囲にわたり、ボランティアの訪問地にも偏りが生じているためだ。関係者は「冬になれば被災者の健康も心配。迅速で効率的な支援が必要だ」と危機感を募らせる。 (小倉貞俊)

 今回の台風19号と続く豪雨災害では、東日本を中心に八万四千棟で浸水や損壊などの家屋被害があり、最大で十四都県・百十市区町村の社会福祉協議会がボランティアセンターを開設した。全国社会福祉協議会(東京)によると、台風19号の上陸した十二日から二十九日までの十八日間で、のべ七万七千人が家屋からの泥のかき出しや清掃、炊き出しなどに協力している。

 ただ、ボランティアの人出は、昨年七月の西日本豪雨と比べ、同じ期間で二万八千人少ない。同協議会の高橋良太地域福祉部長(56)は「ボランティアセンターを開いた自治体数は西日本豪雨の倍近くあり、人的資源が分散してしまった。週末が悪天候だったことも影響した」と指摘する。

 さらに「水没した長野市や土砂崩れ被害の宮城県丸森町など、インパクトのある映像が報道で多く取り上げられた地域に集まる傾向がある」と分析。西日本からのボランティアの多くが最寄りの長野を訪れ、首都圏からも遠い岩手県など東北の自治体には、一日数十人と集まりの少ないケースもみられるという。

 実際、福島県いわき市では、被災者から家屋清掃などのボランティア要請が七百三十件寄せられ、対応できているのは半数以下の二百六十件。同市で支援活動をしているピースボート災害支援センターの上島安裕さん(37)は「最も浸水被害が深刻なのにほとんど報道されていないからここに来た。こうした自治体は、今後も人が集まらないおそれがある」と心配する。

 全国災害ボランティア支援団体ネットワークの栗田暢之代表理事(55)は「家屋清掃は冬前の十一月中にめどをつけねば、復旧作業停滞や被災者の体調悪化を起こしかねない」と説き、「会社や学校単位で、平日などに組織的なボランティアが実施できれば効果が高い。支援を安定して継続し、いち早い被災地復旧につなげることが大切」と訴えた。

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