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【社会】

大洗の試験炉燃料 再開未定でも製造 転用不可 10億9000万円損失

 廃炉が決まった日本原子力研究開発機構大洗研究所(茨城県大洗町)の材料試験炉(JMTR)について会計検査院が調べたところ、運転再開の見通しが立たない状況でウランの購入契約を結び、燃料を製造していたことが分かった。燃料はJMTR固有の仕様でそのままでは他の原子炉に転用できず、検査院は約十億九千万円が無駄になったと指摘した。

 JMTRは、原発の燃料や構造材の耐久性の試験などが目的の原子炉で、一九六八年に運転を開始。老朽化に伴う改修のため二〇〇六年八月に停止した。その後、運転再開を模索したが、一一年の東日本大震災による東京電力福島第一原発事故を受けた新規制基準への適合が耐震力不足などで困難になり、一六年九月に廃炉が決まった。

 検査院によると、原子力機構は一二年九月、施設の安全性確認などのため、再開時期を未定とする運転計画を提出。この時点で二年分以上の未使用燃料の在庫があり、新たに製造する必要はなかったのに、以降も取引先の企業に燃料製造を指示し、米国とウラン購入契約を結んでいた。

 製造指示は、早期の運転再開を目指していた製造担当部署だけの判断で行われていた。機構は燃料について「加工するなどして他の原子炉への活用を検討する」としている。

<決算検査報告> 内閣から独立した地位で国の財政を監督する会計検査院が、各省庁のほか、国が資本金の2分の1以上を出資する法人などの決算を検査し、1年間の結果をまとめたもの。毎年秋に首相に提出し公表する。法令に違反する予算執行を「不当事項」と指摘するほか、税金が有効活用されるよう意見を表示したり、処置を要求したりする。検査院が必要と認めた場合や、国会の要請に基づく検査の結果がまとまった場合は決算検査報告を待たずに内閣や国会に報告し、公表もしている。

 

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