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【社会】

狛江浸水 住民「退避前、逆流」 説明会で市側主張と食い違い

住民の質問に答える松原俊雄市長(中央)と市職員ら=9日、東京都狛江市で

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 台風19号で多摩川沿いの東京都狛江市と調布市で起きた浸水被害で、多摩川に雨水などを流す二カ所の水門を管理する狛江市が九日、初めての住民説明会を市内二カ所で開いた。水門を開けたまま職員を退避させた市の判断の是非に質問が集中。退避の時点で「多摩川からの逆流はなかった」と繰り返す市の説明に、住民からは「それ以前に逆流はあった」との証言が相次ぎ、市の責任を問う声が高まった。

 水門は、狛江市元和泉の「六郷排水樋管(ひかん)」と同市駒井町の「猪方(いのがた)排水樋管」。両水門付近の住宅街では浸水が広がり、狛江市内で床下、床上を合わせて約二百九十軒、隣接する調布市染地(そめち)地区で約百八十軒が浸水した。

 両水門近くの二会場で開かれた説明会には計約六百人が参加。多摩川から水が逆流し、浸水被害を広げた可能性を多くの住民が指摘したが、市は浸水の原因として多摩川の水位が高まったことで「行き場を失った雨水が市内にあふれた」点を一つ目に挙げ、多摩川からの逆流は二番目に挙げた。水門を閉めなかった理由を市は「閉めるとかえって雨水があふれ水害を引き起こす」と説明。両水門にいた職員に退避を指示した十月十二日午後七時半の時点で「多摩川からの水の逆流はなかった」とし、判断の正当性を強調した。

 これに対し、調布市の住民からは六郷管から約五百メートル離れたマンション付近で午後六時五十分台に、多摩川由来とみられる多数のアユの目撃情報があったことなどを紹介。六郷管につながる排水路の水の流れが午後七時前に逆流しているのを見たという女性の発言もあり、逆流はなかったとする市の主張と大きく食い違いを見せた。市は本年度中に専門家を交えて浸水原因を調べるとした。

 説明会に参加した都水道局の元職員は「当時六メートルを超えていた多摩川の水位と排水路の高さを比べれば水門を閉めるのは当然だ。賠償問題に発展する恐れがあるため、市は責任問題を回避し言い逃れに終始した印象だ」と語った。 (花井勝規)

 

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