東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から > 11月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

「神秘」土産に地球へ出発 はやぶさ2、来年末帰還

小惑星りゅうぐうと探査機はやぶさ2の想像図=JAXA提供

写真

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)の探査機はやぶさ2が十三日午前十時すぎ、地球に向けて小惑星りゅうぐうを出発した。二回の着陸で入手したりゅうぐうの岩の破片が入ったカプセルを抱え、宇宙空間を約八億キロ飛行。二〇二〇年末に帰還を目指す。

 無事試料を回収できれば、太陽系の成り立ちや地球の生命起源に迫る研究成果も期待される。

 はやぶさ2は秒速約九センチで航行を始めた。プロジェクトの中心メンバーのJAXAの吉川真准教授は「難しい任務を乗り越えたことに感謝しつつ(帰還という)最後のミッションに挑みたい」とコメントした。

 一四年に地球を出発し、一八年六月にりゅうぐうに到着したはやぶさ2は、約一年半の間にりゅうぐうへ着陸して岩石試料を採取したり、人工クレーターをつくったりするなど当初の目標を全て完璧にこなした。

 今年四月に実施した人工クレーターづくりでは、大きな金属弾を表面に撃ち込むことで、幅十五メートルもの穴を開けることに成功。二回目となった七月の着陸で、穴から噴出した岩の破片を採取したとみられる。

 地下の岩石は太陽風などによる風化を受けておらず、四十六億年前に誕生した太陽系の状態を保っていると考えられる。有機物が見つかれば、地球の生命誕生とどう結びつくかの解明が進みそうだ。

 このほかにも上空から観測したり、小型移動ロボットを着陸させたりして多角的にりゅうぐうを分析。これまでに発表された論文だけでも百十編以上を数える。

 はやぶさ2は帰還すると、試料の入ったカプセルを地球上空で切り離し、オーストラリア南部の砂漠に投下させる。その後、再び探査の旅に出る計画だ。

写真

◆往路32億キロ 復路は8億キロ

 はやぶさ2が小惑星りゅうぐうのかけらを持って、帰還を始めた。行きは2014年12月から3年半をかけての長旅だったが、帰りは1年ほど。格段に短い旅路となる。

 往路では太陽の周りを3回ほど回りながら加速して、同じく太陽の周りを回るりゅうぐうとの距離を詰めていった。この間の飛行距離は32億キロに及んだ。

 りゅうぐう着陸という目的を果たすには、追いつくころに同じぐらいのスピードに落とす必要があるが、はやぶさ2のエンジンでは急な加速や減速ができない。時間をかけて調整する必要があったため、往路は長旅となった。

 復路は太陽の周りを一周弱するだけで、飛行距離も約8億キロだ。機体本体は地球上には戻らず、試料を入れたカプセルを投下するだけなので、速度の大幅な調整は不要となる。

 現在のりゅうぐうと地球の距離は2億5000万キロほどだ。ただ、りゅうぐうはこの後どんどん地球に近づき、はやぶさ2の地球到着予定の20年11〜12月ごろには距離は900万キロほどになる。このため、はやぶさ2は出発後もりゅうぐうから大きく離れるわけではなく、むしろ一緒になって地球に近づいてくるようなイメージだ。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報