東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から > 11月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

沢尻容疑者が持っていたMDMAって? 見た目はラムネの「パーティードラッグ」 強く作用して死亡例も…

捜査当局がカナダ国籍の男から押収した合成麻薬MDMAの錠剤=2009年10月、関西空港で

写真

 またもや著名人絡みの薬物事件が起きた。合成麻薬「MDMA」を所持していたとして、警視庁が麻薬取締法違反の疑いで、俳優の沢尻エリカ容疑者(33)を逮捕した。MDMAなどの合成麻薬は近年、警察による押収量が増加している。専門家は「乱用が続けば死に至ることもある。安易に手を出すべきではない」と警鐘を鳴らす。 (石井紀代美)

 今月六日に、覚せい剤取締法違反(所持)の疑いで元タレントの田代まさし容疑者(63)が逮捕されたばかり。沢尻容疑者は「十年以上前から違法薬物を使用していた」と供述し、容疑を認めているという。

沢尻エリカ容疑者

写真

 MDMAの正式名称は、メチレンジオキシメタンフェタミン。元埼玉県警科学捜査研究所乱用薬物科長の雨宮正欣氏は「覚醒剤の正式名称はメタンフェタミン。字面から分かるとおり両者の化学構造式はとても似ており、同じように幻覚や幻聴といった作用が生じる」と解説する。

 使用時に快感が得られるMDMAは「エクスタシー」の別名があり、クラブなどに来る若者らがよく使うとして「パーティードラッグ」とも呼ばれる。日本では一九九〇年前後から二〇〇〇年ごろにかけてはやったとされる。

◆飲むだけの手軽さが危険

 もともとは白い粉末で、赤や青など色を付けた錠剤の形で出回る。「見た目はラムネ菓子に似ていて、星やハートのマークが入っていることもある。使用への罪悪感や抵抗感をなくすための仕掛けだ」と雨宮氏。飲んで約三十分後に高揚感や幸福感が出始め、二〜六時間持続するという。

 薬物依存者の回復を支援するNPO法人「館山ダルク」(千葉県館山市)の安藤亮氏は「例えば光がよりきらびやかに見え、いろいろな音がよく聞こえもする。鋭敏になる感覚がおもしろく、気持ち良くなる」と説明する。

 最大の特徴は、その手軽さだ。注射器で体内に注入したり、あぶって気体を吸い込んだりする覚醒剤とは異なり、MDMAは口に入れるだけ。「サプリメントなどの錠剤を飲んでいる人も多い。他人に見られても、MDMAとは気付かれにくい」(安藤氏)

 安藤氏らによると、クラブで客として紛れ込んだ売人から「ただであげるから試してみなよ」と勧められ、それをきっかけに使い始める人が少なくない。一粒数千円で手に入るといい、「ゲートウエードラッグ(入門薬)」ともいわれる。刺激に慣れてくると覚醒剤やコカイン、ヘロインなど、より強い作用の薬物に流れることもある。

◆押収量は4年で26倍に

写真

 ここ数年、手を出す若者らが多いとみられ、警察庁によると、一四年に四百七十九錠だったMDMAなどの合成麻薬の押収量は、一八年には一万二千三百三錠と二十六倍になった。今年は上半期だけで四万三千三百二十九錠と激増している。

 MDMAを使用したとして、〇九年八月に元俳優の男が麻薬取締法違反容疑で逮捕された事件では、一緒に使っていた女性が死亡している。雨宮氏は「まともな状態では作られておらず、見た目は同じでも質はバラバラ。平均より十倍ぐらい濃度が高いものもあり、『これぐらい大丈夫』と思っても、強く作用しすぎる場合がある。そうした意味でも危険度は高い」と訴えた。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報