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【社会】

民事裁判記録の廃棄停止 最高裁、全国に指示 近く保存範囲指針

 戦後の憲法裁判の記録が多数廃棄されていた問題で、最高裁は全国の裁判所に対し、あらゆる民事裁判記録の廃棄を一時停止するよう指示した。どのような範囲の裁判記録を重要資料として保存するか、指針となる「運用例」を近く示すとし、それまでの暫定的措置という。

 最高裁の規定は、民事裁判の記録を原則五年保存後廃棄とする一方、重要な裁判記録は「特別保存」として事実上永久保存するよう義務づけている。ところが、一審で自衛隊違憲判決が出た長沼ナイキ訴訟など、憲法判例集に掲載された重要裁判の記録の大半が廃棄されていたことが共同通信の調査で八月判明。識者や関係者が批判し、最高裁は同月、全国の裁判所の保存実態調査に着手していた。

 廃棄停止の指示は十一月十八日付で全国の高裁、地裁、家裁宛てに出された。特別保存する必要があるか否かを各裁判所で適切に判断する必要があり、特別保存の「運用例」を最高裁が連絡するとした上で、各裁判所は裁判記録の廃棄を「原則として留保」するよう求めた。

 最高裁の村田斉志総務局長は十五日の衆院法務委員会で、重要な裁判記録の保存に「運用上の問題があった」と述べ、見直す考えを示していた。憲法裁判の記録を巡る調査では「憲法判例百選第6版I、II」(有斐閣)掲載事例のうち、検察庁が保存する刑事事件を除く百三十七件中百十八件(86%)が廃棄、保存十八件、不明一件だった。

 判決文など結論文書はおおむね残されていたが、審理過程の文書が失われ、検証ができなくなっていた。

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