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【社会】

平成の犯罪総括 DV検挙10倍超に 児童虐待、増加続く

 法務省は二十九日、「令和元年版」の犯罪白書を公表した。平成の時代の犯罪動向や刑事政策の変遷をまとめた内容。刑法犯の認知件数が二〇〇二年をピークに減り続ける中、ドメスティックバイオレンス(DV)の検挙は十倍超となり、児童虐待やインターネットを使った犯罪も増えたのがこの三十年間の特徴だ。担当者は「令和の刑事政策を考える上で基礎資料になる」としている。

 白書によると、警察が認知した刑法犯の件数は一九九六年以降、毎年戦後最多を更新し、〇二年に二百八十五万件を超えた。この後減少を続け、昨年は戦後最少の八十一万件台に。殺人も〇三年に千四百件を超え、平成で最多だったが、一六年は戦後最少の八百九十五件だった。

 一方、検挙数でみると、児童虐待は〇三年に二百十二件だったが、昨年は千三百八十件となり、増え続けた。配偶者間の暴行や殺人なども増加。六百八十九件だった八九年に比べ、一八年は十二倍近くの八千二百二十九件に達した。ネットを悪用した詐欺や児童買春といった犯罪も〇〇年に八百二件だったが、一八年は十倍以上の八千百二十七件に上った。

 刑事政策を振り返ると、被害者支援が大きく進んだ。〇四年に犯罪被害者基本法が成立し、〇八年には刑事裁判への被害者参加制度がスタート。被害者を経済面で支える給付金制度も順次拡充されていった。被害者支援の動きと呼応するように厳罰化が進んだ。無期懲役受刑者の服役期間は、八九年には仮釈放された十三人中九人が二十年以内だったが、〇三年以降は二十年以内は皆無となり、一八年は仮釈放された十人全員が三十年を超えた。

 法務省は再犯防止推進白書も公表。一六年十二月施行の再犯防止推進法に基づき国会に提出する年次報告で、今回が二回目の作成となった。刑務所出所者に対する就労や住宅確保の支援や、福祉施設へ橋渡しする取り組みなどを紹介した。

<犯罪白書> 犯罪防止に役立てられるよう、それぞれの時代における犯罪情勢と処遇を示す各種統計をまとめた白書。法務省法務総合研究所が1960年以降、年1回発行している。最高裁や警察庁などの統計を基に、刑法犯の認知件数や交通事故の発生件数といったデータを過去からの変動が分かるようにグラフで示している。刑事政策上、課題となっているテーマも随時取り上げており、これまでに「再犯」「高齢者の犯罪」などの特集を掲載した。

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