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【社会】

「機関車の聖地」が目の前に 相鉄・JR直通運転で車窓の新名所できた

機関車がずらりと並ぶJR貨物新鶴見機関区

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 機関車がけん引するブルートレインなどの列車が姿を消し、機関車を見る機会も減った。しかし貨物列車をけん引する機関車は依然、鉄路を走る“現役選手”。JR貨物の新鶴見機関区(川崎市幸区)にはその機関車が多数在籍する。貨物線の一部を使って十一月三十日から始まった相模鉄道(相鉄)とJR東日本の直通線は同機関区の真横を走行。車窓の新名所になりそうだ。

機関車がずらりと並ぶJR貨物新鶴見機関区=川崎市幸区で、本社ヘリ「あさづる」から

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 新鶴見機関区はJR新川崎駅の西側に広がり、敷地内には機関車やコンテナ車両が多数並ぶ。許可を得て“機関車の聖地”とも言える機関区を取材した。

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機関車庫内のEH500形式

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 防護具とヘルメットに身を固め、機関区内を歩く。車体に愛称の「桃太郎」(EF210形式)や「金太郎」(EH500形式)と記した機関車が並び、機関車庫には検査中の車両も。敷地内には安全を祈願し、戦前の国鉄時代に作られた手作りの神社もあった。蒸気機関車(SL)の名残からか、機関車をカマと呼ぶこともあるという。

機関区内の線路脇にたたずむ神社

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 取材中、鈴木仁副区長から「一日一本だけ走る貨物列車が間もなく来ますよ」と声かけがあった。しばらくすると埼玉県熊谷市のセメント工場に石炭を運ぶ貨物列車が通り抜けていった。川崎市のごみやリニア工事に伴う残土の輸送も同機関区の機関車で行っている。

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 田村正一区長から同機関区の現状を説明してもらった。所属する社員数、機関車数では首都圏では最大の機関区で、所属のEF65形式やEF210形式の機関車は東は宇都宮、北は高崎、西は松山、幡生(はたぶ)(山口県)まで運用し、走行距離は一日に計延べ二万八千キロ超に及ぶ。

 以前は鉄道ファンらを対象に撮影会などを開いたこともあったが、安全確保もあって一般に公開していない。それでも周辺のフェンス越しに撮影する機関車ファンらしい姿も。国鉄時代に製造され、大阪・吹田機関区に所属するレアなEF66形式がけん引する貨物列車が着くこともあり、田村区長は「どこで情報を調べるのか、熱心なファンが訪れます」と言う。

相鉄・JR直通線の車窓から見た新鶴見機関区。後方は新川崎駅前の高層マンション群(11月7日の試乗会で)

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 相鉄・JRの相互直通運転では、この機関区を挟み込むように上下電車が走行する。特に横浜側から新宿方面に向かう上り電車は機関区の西端を沿って延びる線路を走り、進行方向右手の窓から機関区の様子を見ることができる。これまでにも通勤・帰宅時間帯に東京・新宿駅と湘南地区を結ぶ湘南ライナーや、行楽地、イベント向けの臨時列車がこの線路を走ってきたが、直通運転で終日、この景色がより身近に楽しめそうだ。

<JR貨物新鶴見機関区> 1929(昭和4)年に高島機関区新鶴見分庫として開設、33年、新鶴見機関庫として発足した(36年に新鶴見機関区と呼称変更)。電気、ディーゼル、ハイブリッドタイプの機関車が計93両配置され、機関車の検査も行っている。社員数は208人で、乗務員は129人(今年4月現在)。

 文・加藤行平/写真・加藤行平、由木直子、中西祥子

(2019年12月2日「TOKYO発」面に掲載)

 

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