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【社会】

障害者の「得意」を企業とつなぐ 都内の会社がサイト

「サニーバンク」を紹介する上濱直樹社長(右)。左は広報担当の木村仁さん=東京都中央区で

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 できないことに目を向けられがちな障害者雇用の現状を変えようと、障害がある人たちの得意なことをビジネスにしていく取り組みを、東京都中央区のIT企業が進めている。肌触りを追い求めて開発に視覚障害者を起用したタオルメーカーを参考に、「得意を生かせば健常者より優れた仕事ができる」と狙いを語る。三日から障害者週間。 (加藤健太)

 車いすや盲導犬を連れた人のイラストに添えられた「できる事を仕事にしよう」のキャッチコピーが目を引く。IT企業のメジャメンツは今春、働きたい障害者と、仕事を任せたい企業や個人をインターネット上でつなぐサービス「サニーバンク」を立ち上げた。

 会社の本業は、顧客のウェブサイトが障害者にも使いやすい仕様になっているかの診断業務。上濱直樹社長(50)は仕事を通じて障害者の悩みに触れることが多く、「日本は障害者がお金を稼ぐ環境が整っていない。ITで解決できないか」と感じていた。

 悩みを聞くうちに、品質の高さで知られる今治タオル(愛媛県)の老舗メーカーが、指先の感覚が鋭いと言われる視覚障害者の意見を取り入れて肌触りを追求していることを知った。「障害があるからこそ備わっている技能は他にもあるはず。それを生かせば付加価値のある仕事ができて報酬も高くなる」とサニーバンクの仕組みを思い付いた。

 具体的には、障害者がネットで利用登録する際、障害の程度や自分のできることを書き込み、サニーバンク側が企業などとマッチングする。例えば、発達障害のある女性は在宅で名刺の製作を請け負っている。三百種類のフォントの違いを見分けられる長所を生かして、誰もが見やすいフォントや大きさ、色合いを選ぶ。女性が作った名刺を実際に使っている上濱社長は「ちょっとしたこだわりが商品を生まれ変わらせる」と手応えを口にする。

 今後、サニーバンクで受注する仕事の核にしようと考えているのが、同社が本業にしているウェブサイトの診断業務だ。二〇一六年施行の障害者差別解消法でこうした配慮をするよう義務化された。上濱社長は「診断業務の需要は増していくだろう。障害者ならば当事者の視点で診断できるので合理的だ」と話す。診断業務に就ける人を増やしていこうと、名古屋など全国五都市で講習を開くことを計画、クラウドファンディングで開催費用を募っている。

通常の名刺(上)と、発達障害のある女性が誰もが見やすいフォントなどを使ってデザインした名刺

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