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【社会】

中村さん悲報 「先生も、息子も、なぜ」08年犠牲 伊藤和也さん両親

アフガニスタンで活動する中村哲さん(右から3人目)と伊藤和也さん(左から2人目)=2004年(伊藤正之さん提供)

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 非政府組織(NGO)「ペシャワール会」の医師中村哲(てつ)さん(73)がアフガニスタンで殺害された事件を受け、同会の農業支援スタッフとしてアフガンで活動中の二〇〇八年八月に拉致され、銃で撃たれて死亡した伊藤和也さん=当時(31)=の父正之さん(72)と母順子さん(67)が五日、静岡県掛川市の自宅で報道各社の取材に応じた。「アフガンが大好きで、現地のために尽くしてきた人がこんな形で帰らなければならないなんて」と語り、中村さん殺害に悔しさをにじませた。 (赤野嘉春)

 伊藤さんは、アフガンで中村さんと水路の建設や農作物の栽培指導に取り組んだ。伊藤さんの死後、中村さんは法要で掛川市の正之さん夫婦を訪ねることもあった。

 正之さんは「悲しみや怒り、いろんなものが頭の中で混在し、昨夜はよく寝れなかった」と語った。「人が行かないところで、人がやらないことを強い意志で続けてきた」と中村さんをたたえ、活動が無にならないよう「現地の方がしっかり引き継いでほしい」と願った。

 順子さんは「なぜ(中村)先生も和也もこんなことになるのか。こんな別れ方をしなければならないのか。怒りが収まっていない」と話した。今も二人が現地で活動を続けているような気がすると言い、中村さんの死を和也さんに報告できていないという。

 中村さんとは二年前に静岡市で食事をし、一緒に現地に行く約束をしたという。正之さんは「僕がいる間にお父さんとお母さんをアフガンにお連れしますと言ってくれた」と振り返り、順子さんも「家族みんなで行こうとしていたのに、思いが断たれた」と涙ながらに語った。

 

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