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【社会】

川越の特養、モデルに検討 台風19号で被災 設備内容を協議

北海道厚真町の福祉仮設住宅に設置された、ストレッチャーに乗ったまま入浴することができる浴槽

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 特別養護老人ホーム(特養)が被災した場合、施設入所者が一時的に住む福祉仮設住宅の設備内容について、十月の台風19号で被害を受けた埼玉県川越市の特養「キングス・ガーデン」の入所者向けに建設する福祉仮設住宅を、今後のモデルとするよう国が検討していることが分かった。 (中里宏)

 内閣府の担当者は「現在の福祉仮設住宅の運用は特養利用者の入居を想定しておらず、国が費用を負担できる施設内容の線引きが難しい」と説明。「今後も同様の事例が起こりうるため、埼玉の施設を考え方の基礎としたい」としている。

 災害救助法に基づく応急仮設住宅は都道府県が建設し、費用の半額を国が負担する。高齢者や障害者に配慮した福祉仮設住宅について、同法の運用を定めた要領では、段差解消のスロープや共同利用の調理室、風呂、生活援助員室などの設置を認めている。

 しかし、いずれも在宅介護を前提にしたバリアフリー住宅の範囲内にとどまり、寝たきりの高齢者らが対象の特養利用者の入居を想定したものではないという。仮設は「住宅」であって「施設」ではないという考え方だ。

 昨年九月の北海道地震では、道が同十二月、厚真(あつま)町と安平(あびら)町に特養利用者が入居する福祉仮設住宅を全国で初めて建設。道保健福祉部によると、特養に必要な機械式浴槽や車椅子で利用できる自動ドアトイレなどを備えるが、費用は通常の仮設住宅整備基本額の三倍近い計約二十億円に上った。このため「設備内容について国と道で吟味していない」(内閣府)などの理由で、一年たった現在も国庫負担額が決まっていない。

 川越市の「キングス・ガーデン」は台風19号の被災で、入所者約八十人が別の福祉施設に分散避難を続けており、埼玉県が福祉仮設住宅の建設を計画している。国は今後のモデルケースとするため、施設内容に関して県や市と協議しながら詰めていく方針。

 内閣府の担当者は「埼玉のケースでは県、市としっかり話し合い、意見の擦り合わせをしていきたい」と話す。埼玉県住宅課の担当者は「川越市から希望する設備内容が出されるのを待って国と協議する。ニーズに沿うものを作りたい」としている。

 

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