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【社会】

個性派保育ピンチ 幼保無償化対象外で入会激減

公園で縄跳びを楽しむ「あそびの会」の子どもたち=11月26日、東京都世田谷区で(淡路久喜撮影)

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 型にはめない自由な子育てを提唱した小児科医の故・毛利子来(たねき)さんらがつくり、外遊び主体の保育で知られる東京都世田谷区の保育グループ「あそびの会」が、今年十月に始まった幼保無償化のあおりで運営の危機に陥っている。保育園でも幼稚園でもないため制度の対象外となり、来年度は兄や姉が通っている数人を除き、新規入会児がゼロに。個性的な幼児教育をする各地のグループなどが同様の状況になっており、保護者らから救済を求める声が上がっている。(岩岡千景)

 「まだ雨降ってないから、外に出ようか」。世田谷区三宿の住宅街にある「あそびの会」の保育室。午前九時。やってきた子どもたちに同会代表の石川由喜夫さん(70)が声を掛けると、男児が「イエーイ!」と手を上げて喜んだ。目の前にある公園に出ると、子どもたちは縄跳びをして元気に遊び始めた。

 その様子を見守っていた父母の会会長の西田ひとみさん(45)は、五歳男児を預け「ここでは子どもの目の輝きが違います」と話す。

 あそびの会は一九七三年三月、「遊びきっていない子が多すぎる。もっと外で遊ぶ保育を」と、毛利さんやソーシャルワーカーの石川さんらを中心に、渋谷区の原宿で外遊び主体の保育グループ「おひさまの会」をつくったのが始まり。八七年三月から現在の場所で二〜五歳児を預かっている。雨でなければ毎日外へ出かけ、世田谷公園や駒沢公園、羽根木公園や多摩川など区内の自然豊かな場所でヨモギ摘みや虫捕りなどをして遊ぶ。渋谷区長の長谷部健さんも「おひさまの会」出身だ。

 六歳男児を預けている塩島紀子さん(45)は「外遊びで育つものは多くて、子どもは世界を五感で受け止め、地面の色を晴れと雨の日で描き分けています。縦割り保育で障害がある子も受け入れるので、年下や障害がある子への気配りも自然に学ぶ」と、会の教育の良さを語る。

 現在、通っている子は二十一人。新年度に入る子は毎年、前年十一月からの区の幼稚園入園申込時に十人近く入会していた。ところが今年は兄や姉が通っている数人以外、新たな入会児はいない。

 「問い合わせはたくさんあって『無償化はどうなってますか?』と聞かれ、『対象じゃない』と言うと申し込みに来ない。去年までは私立幼稚園と月額一万円程度の差だったが、今年はうちの保育料四万二千円かゼロかだから、全く勝負にならない」と石川さんは嘆く。幼保無償化制度では、認可外の保育施設等が対象になるには「保育の必要性の認定」が必要なため、幼児教育をするこうした施設は対象から外れる。「四十年以上も続いてきたのに」と、保護者らは救済を求める。

 世田谷区保育認定・調整課は「国の方針が出ないと区では対応できない」と説明。同区議会は五日、幼児教育の質を確保する施設も無償化の対象にするよう要望する意見書を、衆参両院議長や首相、文部科学相ら宛てに提出した。文科省幼児教育課は「認可外でも地域で重要な施設は、自治体と協力した支援の在り方を検討している」と話している。

 

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