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【社会】

COP25で何を語る?小泉環境相 地元・横須賀では石炭火力の建設計画

COP25の日本パビリオンのロゴマーク発表を報告する小泉環境相のフェイスブック

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 9月の内閣改造の目玉として登場したものの、「セクシー発言」などで物議を醸した小泉進次郎環境相。スペイン・マドリードで開催中の国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)で演説する予定だが、踏み込んだ発言が出るかは不透明だ。小泉氏の地元・神奈川県横須賀市の石炭火力発電所建設計画に反対する住民は「地元から『脱石炭』を実現し、温暖化対策を進めてほしい」と求める。 (中山岳)

 小泉氏は、環境相就任直後の九月二十二日、米国連本部の環境関連会合後の記者会見で「気候変動のような大きな問題は、セクシーに取り組むべきだ」などと発言。真意を巡り物議を醸した。今月三日の記者会見では、愛知県豊田市など二十一自治体で、二酸化炭素(CO2)排出量の「二〇五〇年までに実質ゼロ」を表明する動きが広がっていると指摘。「COP25でしっかり発信したい」と述べたが、国を挙げての具体策には言及しなかった。

 二日に始まったCOP25は、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」が来年から本格始動する前に、各国がCO2など温室効果ガス削減の目標引き上げを含めて協議する。環境省によると、小泉氏は十一日に演説する予定で調整中という。

 現地にはスウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさん(16)も六日に駆けつけ「権力者たちが行動を起こすことを心から望む」などと演説。若者らと、温暖化対策の早急な強化を求めて数万人規模のデモに参加した。

大規模デモに参加し、演説するグレタ・トゥンベリさん=6日、マドリードで(ロイター・共同)

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 温暖化対策を巡っては、これまで欧州など七十カ国余が「五〇年までにCO2排出量を実質ゼロ」を表明。一方、日本政府は今世紀後半のできるだけ早期に脱炭素化を目指す方針で、対策の遅れが目立つ。

 環境保護団体「気候ネットワーク」によると、日本のCO2排出量は、中国、米国などに次いで世界第五位。田浦健朗事務局長は「COP25で日本の求められる役割は大きいが、これまでの取り組みはとても不十分だ。小泉氏は『セクシー』と言うだけでなく具体的な対策を示してほしいが心配だ」と話す。

 海外でCO2排出が多い石炭火力発電を廃止する動きが相次ぐなか、日本は横須賀市などで建設計画が進んでいることも、本気度が疑われる一因に。三日には、世界の環境団体から対策に後ろ向きとして不名誉な「化石賞」も贈られた。

COP25の会場で開かれた「化石賞」の発表イベント=3日、マドリード(共同)

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 田浦氏は「小泉氏の地元で石炭火力発電の計画が止められないこと自体が、日本が脱石炭にかじを切れないことを象徴している。今のままでは環境相の役割を果たすどころか、国際的な動きに逆行していると受け取られかねない」とみる。

 横須賀市の石炭火力発電所建設計画を巡っては、反対する地元住民ら約五十人が五月に国を相手に行政訴訟を起こし、係争中。原告団長の鈴木陸郎さん(77)は「肝心な地元で進んでいる石炭火力の計画をまず止めてほしい。自治体任せにせず、国がCO2排出ゼロに向けた政策を打ち出すべきだ」と求める。

 鈴木さんや地元住民らでつくる「横須賀火力発電所建設を考える会」は、小泉氏の環境相就任後、石炭火力計画の中止を求める小泉氏宛ての手紙を環境省に送ったが、これまで返事はないという。

 鈴木さんは、今秋の台風15、19号で、横須賀市内も強風による倒木や住宅被害などが出たとし「気候変動問題への対策は、待ったなしだ」と指摘。「若者や子どもたちの未来を考えれば、横須賀を含め石炭火力発電所の新増設は認められない。小泉氏に、脱石炭の覚悟を示してほしい」

(12月10日朝刊特報面に掲載)

 

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