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【社会】

セブン、4億9000万円未払い 残業代、3万人対象

残業代未払いで記者会見し、冒頭に頭を下げるセブン−イレブン・ジャパンの永松文彦社長(中央)ら=10日、東京都千代田区で

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 コンビニ最大手のセブン−イレブン・ジャパンは十日、フランチャイズ加盟店のアルバイトやパート従業員の残業代の一部で、長期間にわたって未払いがあったと発表した。未払いは創業当初の一九七〇年代から続いていたとみられる。計算方法の誤りによる未払いは判明しているだけで四億九千万円に及ぶ。対象者には本部負担で返金する。 (嶋村光希子)

 セブンは二〇〇一年に労働基準監督署から未払いを指摘されたが、これを公表せず、追加で支払いもしていなかった。

 当時指摘を受けて採用した計算方法も誤っており、残業代支払いが過少になっていることを今年九月に労基署が加盟店に是正勧告、一連の未払いが発覚した。

 セブンは人手不足を背景とした二十四時間営業の短縮問題や本部によるおでんの無断発注など問題が相次いでいる。本部のミスによる今回の未払いでも加盟店との信頼関係をさらに損なうことになりそうだ。

 未払いは、従業員名などの記録が残っている分だけで二〇一二年三月から一九年十一月までの全国八千店以上の三万人が対象。未払い分は一人あたり平均一万六千円で、最大二百八十万円に及ぶ従業員もいる。

 セブンでは、加盟店がアルバイトやパート従業員を雇用し、人件費を負担。本部が従業員の給与計算や支払いを代行している。休まずに出勤した場合の「精勤手当」や現場リーダーなどへの「職責手当」について残業時間に応じ割り増しされる額に関し、労働基準法が定める計算方法を守らず本来の五分の一になっていた。

 本部は「法令の理解や業務のチェック体制が不十分だった」と説明した。一二年二月以前の対象者や未払い額は「分からない」としている。

 都内で会見した永松文彦社長は「従業員やオーナーに多大なるご迷惑とご心配をおかけした」と謝罪した。同社長は十日、月額報酬の10%を三カ月間返上すると発表。引責辞任については否定した。

 同社は元従業員の人を対象に返金などの問い合わせ窓口を設置。専用のフリーダイヤル(0120)386076。

◆営業時間、決済…問題次々

 セブン−イレブン・ジャパンは今年に入り、二十四時間営業をめぐる問題や、本部によるおでんの無断発注、スマホ決済サービス「セブンペイ」の不正アクセスによるサービス停止など、加盟店や消費者の信頼を損なう事件が相次いで露呈している。経営体制とコンプライアンス(法令順守)意識が問われている。

 「創業から大きく環境が変わる中で、われわれ自身が変わってこれなかった。今の環境下に合っていないと認識している」

 永松文彦社長は十日の会見でこう語った。セブンは一九七三年に創業し、全国に大量出店を拡大。年中無休、二十四時間営業の便利さが消費者に受け、業界トップとなった。

 しかし、近年の人手不足を背景に加盟店は従業員を確保できず、店主が過酷な勤務を強いられるケースが各地で頻発。大阪府の加盟店が今年二月、本部の反対を押し切って営業時間を短縮して対立した。本部が推し進めてきた大量出店も、店同士の売り上げを食い合い、現場を疲弊させている一因だ。

 加盟店との関係性を「フランチャイズビジネスでは信頼関係が最も大事」と強調した永松社長。加盟店を軽視しているともいえる一連の事例の前では空回りしているようにも聞こえる。

 

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