東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から > 12月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

駅点字ブロック 潜む危険 注意喚起あるはずが 視覚障害者「転落怖い」

点状ブロックを配置すべき場所に線状ブロックがあることを手で触り、確認する古渡咲子さん

写真

 視覚障害者の「目」となる点字ブロックは、ズレがあるとつまずいたり、多様な種類が混在すると進路を見失う原因になる。東京都盲人福祉協会(都盲協(ともうきょう))が不備を指摘していた葛飾区の京成金町線柴又駅などを、同区視覚障害者福祉協会長の古渡(ふるわたり)咲子さん(77)と今月初旬に歩き、ブロックに潜む危険を点検。バリアフリーの設備が、バリアー(障害)になり駅の安全が損なわれていた。 (中村真暁)

 「あっ」。柴又駅のホームのブロック上を歩いていた古渡さんが声を出してよろけた。同行していたガイドの腕をつかんでいたため転ばなかったが、異なる形状のブロックの間に生じた小さなズレに、足を取られてしまったようだ。

 点字ブロックには注意喚起が目的の「点状ブロック」や、歩く方向を示す「線状ブロック」などがある。

 柴又駅は京成電鉄によると、トイレ設置などの工事のたびにブロックを新たに設置した。そのため、ホームには突起物が四十一個や三十六個、二十五個といった異なる点状ブロックが混在している。古渡さんはブロックだと気づかず混乱したり、体と線路の位置関係が分からなくなると指摘。突起物の数が多いタイプは踏んでも平らに感じられ、「分からないから、意味がない」と顔を曇らせた。

さまざまな点状ブロックが混在するホーム。突起物は右は内方線付きで25個、左は36個=いずれも東京都葛飾区の京成電鉄柴又駅で

写真

 現在の国の指針では、注意喚起の点状ブロックを置くべきなのに、線状ブロックになっている場所もあった。国土交通省によると、設置の変更は努力義務だが、線路は目と鼻の先。古渡さんは「慎重でないと、落ちるかもしれず怖い」と危ぶんだ。

 十月に視覚障害者がホームから転落し、電車に接触して亡くなった京成押上線京成立石駅(同区)も訪れた。現場付近のブロック間にズレがあると都盲協の指摘後、同社はホームの内側を示す直線状の突起のある「内方線付き点状ブロック」への改修を進めている。

転落事故現場周辺で、張り替えられた点状ブロックを確認する古渡咲子さん=葛飾区の京成立石駅で

写真

 新しいブロックを歩いた古渡さんは「高いのと、低いブロックがあった以前と比べて、うそのように歩きやすい」と声を弾ませた。

 都盲協は事故後、立石駅を含め同社の都内全十九駅を点検。京成高砂駅(同区)、町屋駅(荒川区)などでも国の指針と異なるブロックがあるとして、改善を求めていた。

 同社によると、柴又駅は本年度中に行われる耐震化工事で、ブロックも改修。他の駅も「ハード、ソフト両面から視覚障害者への対応を検討し、進める」(担当者)としている。

 ブロックでつまずかないよう、高さのある靴を履かないという古渡さん。「他の鉄道会社にも、ブロックの不備で歩きにくい駅はある。少しくらい高い靴でおしゃれができるようになってほしい。ブロックには荷物を置かないなど、理解も広まってほしい」と訴えた。都盲協は他の鉄道会社の点検を始めており、担当者は「問題があれば改善を要請していく」と話した。

写真
 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報