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【社会】

総務次官 情報漏えい 天下り先となれ合い

9月、総務省の情報通信審議会の部会で答申書を受け取る鈴木茂樹氏

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 不祥事で揺れる日本郵政グループの監督官庁の事務方トップが、行政処分案を情報漏えいするという異例の事態となった。辞職に追い込まれた鈴木茂樹総務事務次官からの情報は、元次官で日本郵政の鈴木康雄上級副社長に漏れ、郵政は処分への対応を練っていたとみられる。総務省は郵政グループにメスを入れるどころか、天下り先である同社とのなれ合い体質を露呈させた。 (森本智之、桐山純平)

 「情報が漏れることによって先方(郵政)の対応も変わってくる可能性もある」

 高市早苗総務相は二十日の会見で、情報漏えいの影響をこう説明した。年内の処分を検討する総務省は郵政側に事実関係の報告を求めており、その期限が二十三日に迫る中での突然の更迭だった。

 副社長は同省前身の旧郵政省出身で、二〇〇九年に総務次官を務めた。鈴木茂樹氏とは旧郵政省からの先輩後輩の関係だ。郵政での肩書は副社長ながら、金融他社からの移籍組が幹部に名を連ねる中で「組織を束ねるキーマン」(金融庁幹部)といわれる。

 副社長を巡っては、かんぽ生命の不正でも元次官の肩書を使い暗躍。昨年、不正販売問題をNHKの「クローズアップ現代+(プラス)」が取り上げた後、NHKの経営委員会幹部と面会するなどして抗議した。報道への圧力とも言えるこうした行為が発覚した今年十月になっても、NHKの取材手法について「暴力団と一緒」「ばかじゃねえの」と批判して居直った。

 かんぽ生命の不正では、顧客に不利益を与えた可能性のあるケースが約一万二千八百件あったことが判明したのみ。調査はごく一部しか終了しておらず件数は大幅に増えるのは確実なのに、郵政は顧客保護どころか組織防衛を優先させている。これに対して、総務省も本来の監督をせず、旧郵政省時代から続くOBの送り先に、現職次官自らがこっそり手を貸そうとしていた。

 

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