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【社会】

「車内に刃物を持った男がいる!」通報で警官駆け付け、大騒ぎ 正しい持ち歩き方とは

 JR京葉線の車内で二十三日に「刃物を持った男がいる」と、警察官が駆け付ける騒ぎが起きた。実は男性は料理人で包丁を買って帰るところだった。近年、列車内での殺傷事件も起きており、世間の目は厳しい。それでも刃物を持ち歩かなくてはいけないこともある。どうしたらいいのか。(片山夏子)

包丁やはさみなどを品定めする買い物客。持ち帰る時はご注意を=岐阜県関市で

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◆包丁買った料理人 帰りの電車で通報され

 JR東日本千葉支社と千葉県警浦安署によると、騒ぎが起きたのは二十三日午前十一時前。下り電車の乗客から「車内に刃物を持った男がいる」と乗務員に連絡があった。千葉県浦安市の舞浜駅で男性に降りてもらい、JRや通報で駆け付けた警察官が事情を聴いた。その結果は…。

 同署の矢崎一雄副署長は「男性は都内で料理人をしており、朝仕事が終わった後、包丁二丁を買って帰るところだった」と説明する。包丁は刃渡り約三十センチで箱に入っていた。かばんに入りきらず、レジ袋に入れて男性の膝の上に置いてあった。そのため別の乗客の目に付いた。もちろん男性は無事に解放された。

◆刃渡り6センチ超の刃物携帯を法規制

 「今回のケースは銃刀法二二条に関係する」と甲南大法科大学院の園田寿教授(刑法)は指摘する。この条文は、刃渡り六センチ超の刃物の持ち歩き(携帯)について規制している。園田氏によると、日本社会党の浅沼稲次郎委員長が刺殺された一九六〇年の事件の影響で定められた。

 この事件後、刃物での殺傷事件が相次いだ。所持が規制されていた大型の刀剣類ばかりでなく、日常生活で使う小型の刃物も凶器になった。こんな流れの中、六二年に銃刀法が改正され、刃渡り六センチ超の刃物の携帯が規制された。

 園田氏は「正当な理由がない場合、取り締まられるようになった。携帯とは使おうと思えば使える状態で持つこと。むき身など、見た人に不安感を与える持ち方を指す」と解説する。京葉線の男性には正当な理由があったが、違反者は最長二年の懲役に処せられる。

◆覆う・包む・しまう 人目に配慮を

 交通機関への持ち込みには、より厳重な梱包が必要になる。

 国土交通省は、昨年六月に起きた東海道新幹線の車内での殺傷事件を受け、鉄道運輸規程を改正した。規程のガイドラインでは、刃渡り六センチ超の刃物について「刃先をケースに入れるか段ボールなどで覆う」「新聞紙などで全体を包装する」「袋やかばんにしまう」と三段階の梱包を求める。六センチ以下でも「袋に入れる」と定める。

◆売る側も厳重対応 帰宅後に開封

 こうなってくると、包丁を買って帰るのもなかなか大変だ。売る側はどう対応しているのか。

 刃物で知られる岐阜県関市。例年十月に開かれる刃物まつりには、全国から約二十五万人が訪れる。

 市観光課の石竹寿光氏は「陳列する商品には刃先にサックなどを付ける。売れた商品は、むき出しにならないよう梱包する」と説明する。さらに客全員に「お買い上げの品はご帰宅後に開封してください」と書かれたチラシを手渡す。

 石竹氏は「刃物でいろいろな事件が起きている。正しい梱包方法を店で共有するようにしている。今年は台風で中止になったが、チラシと同内容ののぼり旗を作成していた」と話す。

 園田氏は「刃物は大工や料理人などが職業的に持つばかりでない。山に登る人なら登山用ナイフなど、一般の人の生活にも関わる。必要な時は携帯の仕方に気を付けて」と注意を促す。

 持ち歩く時は、くれぐれも厳重な梱包と人目に付かないようにする配慮をお忘れなく。

 

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