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【社会】

相模原事件初公判 植松被告、殺傷認め謝罪

 相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で二〇一六年七月、入所者ら四十五人が殺傷された事件で、殺人罪などに問われた元施設職員、植松聖(さとし)被告(29)の裁判員裁判の初公判が八日、横浜地裁(青沼潔裁判長)で開かれ、植松被告は起訴内容を認めた。「深くおわびします」と謝罪の言葉も口にしたが、直後に口元に手をやってもがきだし、係官に取り押さえられて一時休廷となった。

 植松被告は、裁判長から起訴内容に間違いがないか問われ、「ありません」と答えた。弁護側は「事件当時、被告は精神障害の影響で心神喪失か心神耗弱だった」と述べ、責任能力について争い、無罪を主張する方針を示した。

 その後、被告は裁判長に発言を求めて謝罪の言葉を述べると突然、手を口に持っていき、取り押さえられた。このため一時休廷となり、午前中に予定されていた検察側の冒頭陳述は午後に延期された。

 地裁は被害者特定事項秘匿制度に基づき、死傷した四十五人のうち重傷の尾野一矢さん(46)を除いて匿名で審理する。検察側は起訴状朗読で、亡くなった入所者は「甲Aほか十八人」、負傷した入所者は「乙Aほか二十三人」、施設職員は「丙A」などと記号で読み上げた。被害者の遺族や家族は傍聴席に座り、他の傍聴人から見えないよう、ついたてで遮られた。

 事件では十九人の命が奪われ、植松被告は「意思疎通のとれない障害者は生きる価値がない」などと、一貫して事件を正当化し続けてきた。裁判では、植松被告の責任能力の有無や程度が最大の争点となる。

 植松被告は、起訴前の精神鑑定で、自分を特別な存在と過度に思い込む「自己愛性パーソナリティー障害」だったとされた。横浜地検は鑑定結果などから、被告に完全な責任能力があると主張し、極刑を求刑するとみられる。

 起訴状では、植松被告は一六年七月二十六日未明、津久井やまゆり園に侵入し、入所者の男女を刃物で突き刺すなどして十九人を殺害、二十四人に重軽傷を負わせ、結束バンドで縛るなどした職員二人にけがを負わせたとされる。

 今後の審理では、被告人質問や、遺族や被害者の家族らによる意見陳述が予定されている。判決は三月十六日の予定。

<相模原障害者施設殺傷事件> 2016年7月26日未明、相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者の男女19人が刃物で刺され死亡、職員2人を含む26人が重軽傷を負った。17年2月に殺人罪などで起訴された元職員植松聖被告は「意思疎通できない人は不幸を生む」などと障害者を差別する発言を続けた。捜査段階の精神鑑定で「自己愛性パーソナリティー障害」と診断された。園は事件後、横浜市に仮移転。神奈川県は新施設を相模原市の現在地と仮移転先周辺の計2カ所に21年度に開設予定。

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