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【社会】

残業149時間 把握せず 北海道標津町の職員自殺 調査報告書

 北海道標津町で昨年七月に自殺した男性職員=当時(24)=について町側の弁護士が、直近一カ月の約百四十九時間の時間外労働に伴う睡眠障害などが原因とする調査報告書をまとめたことが、分かった。町が把握していた労働時間と懸け離れており、問題だとして報告書は改善を求めた。町が八日、遺族に報告書を提出した。専門家は「地方自治体は労務管理が旧態依然で対策が急務」と指摘する。

 報告書などによると自殺したのは商工観光課の鈴木雄大さんで、修学旅行の受け入れ業務などを担当。昨年七月二十三日、上司に「病院に行く」と報告後、連絡がつかなくなった。二十四日、町内の橋の下で鈴木さんの遺体が見つかった。警察は自殺と判断、遺書はなかった。

 町は時間外勤務命令簿で労働時間を管理していたが、弁護士は退勤時刻の記録を調べて計算。亡くなる直前の昨年六月二十三日から七月二十二日までの時間外労働は約百四十九時間、六月は約百四十五時間だった。命令簿では、六月は五十三時間だった。

 町によると、職員が時間外労働をする際は本来、職員が命令簿に予定時間を記入し上司が確認、その後実際の勤務時間を上司が記入する。しかし町では当時、職員に全てを記載させ、上司は月末に一度まとめて確認するだけだった。担当者は「手が回らなかった」と説明。鈴木さんの時間外労働が命令簿と大きく食い違っている理由は分かっていないとしている。

 鈴木さんの母親の龍子さん(55)は八日、釧路市の自宅で報告書を受け取った後「これからが始まりだ。うみを出し切って、職員の労働環境を根本から見直してほしい」と話した。

 

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