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【社会】

八王子ラーメン 全国区だ! 刻みタマネギのせ 都心にも

都心に進出した味幸の「八王子ラーメン」=東京・四谷で

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 東京都八王子市の市民に愛されている地元のソウルフード「八王子ラーメン」業界が活気づいている。刻みタマネギが載っているのが特徴で、市内の有名店が次々に支店や系列店を出店しているほか、新規参入も相次ぐ。都心部など市外に進出する老舗の動きもあり「戦国時代」の様相。全国区のラーメンバトルに名乗りを上げる勢いだ。 (布施谷航)

 「八王子ラーメン」が世に知られるようになったのは十数年前。ラーメンには刻みタマネギがつきものだと思っているのは、八王子市民だけだと気付いた市職員の立川寛之さん(49)らが命名した。二〇〇三年に愛好家グループ「八麺会」を結成し、このご当地ラーメンを応援してきた。

 八王子ラーメンの歴史は半世紀に上る。八麺会によると、原型を開発したのは、一九五九年に市内で開業したラーメン店「初富士」。中華料理店による出前が当たり前だった当時、ラーメン専門店として特徴を出そうと試行錯誤して生まれたのが「刻みタマネギ入りラーメン」だった。タマネギやしょうゆベースのスープに合った麺は、地元の「尾張屋滝井製麺所」が開発した。

 表面の油がタマネギの甘みを引き立てるのも特徴で、他のラーメン店もこれに続き、八王子では「中華そば」といえば「刻みタマネギ入り」が定番になった。

 八麺会が二〇一五年に発行したマップでは市内の三十二店舗を紹介するが、その後も「八王子ラーメン」を掲げる店が続々登場している。立川さんも「新たな出店数を把握し切れないほどの勢い」という。

 八麺会の普及活動が貢献したのは間違いないが、近年の活況ぶりには意外な理由もあるという。

 「初富士」に麺を卸していた「尾張屋滝井製麺所」の中細ストレート麺は、後続の店も取り入れ、八王子ラーメンの「王道」を形づくっていた。その製麺所が数年前に閉店した。ファンには惜しまれたが、図らずも「進化」のきっかけの一つになったという。

 立川さんは「これまで『尾張屋の麺でないといけないのでは…』と思われていたが、閉店とともに新規出店者の精神的な縛りが取れたのでは」との見方を示す。実際に新規店の中には、縮れ麺やトウガラシを練り込んだ「変わり種」も登場している。

 老舗も負けてはいない。

 もともと八王子ラーメンは個人経営の地元の店舗ばかりだが、老舗の「味幸(みこう)」は一九年四月、初の支店を都心部の新宿区四谷にオープン。ほかにも相模原市に進出したり、八王子市内に複数の支店を出した店もあるという。立川さんは「競争で一段と八王子ラーメンの知名度が上がっている。全国区を狙ってほしい」と期待を寄せた。

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